2006年05月21日

切なる願い

症状も殆どなくなり、診察も一ヶ月に一度になると、自分はもう病人ではないと思える。が、ここのところ左胸の痛みがまた出始めていた。私の体が出す最初の信号は、左胸の痛みである。これが始まると、次々と調子が悪くなって、横にならずにはいられなくなってしまうのだ。“せっかく調子良かったのに、やっぱり犬のことやオヤジのこと、私も結構苦労してるしな”と思いつつ、ちょっと真剣に心配しつつ一ヶ月ぶりに診察を受けた。

五月晴れってどんなだったっけ?というくらい、ここのところ雨が続いていた。その日も空はどんよりと雲に覆われ、雨が降ったり止んだりで、はっきりしない空模様だった。傘を差し、水溜りを避けながら病院へ入っていくと、なんとなく待合室にいる患者全体がグッタリしているように見えた。

一時間ほど待ってやっと名前を呼ばれた。
診察室に入って「こんにちは」と挨拶をして椅子に座る。
先生は、私の顔や声でまず診断し、それから私の話に耳を傾けてくれる。

その日は、なぜかわからないが、昼寝をしてもしなくても毎朝4時に目が覚めてしまうこと、せっかく治まっていた左胸の痛みがまた出てきてしまったこと、にも関わらず食欲があって太ってしまったこと、などを訴えた。“先生は一体なんて言うんだろう”私は緊張しながら先生の言葉を待った。

ところが先生は、にっこり笑い、「こういうお天気が続くとどうしても自律神経は敏感に反応してしまうものなんです。完治したとしても、こんなお天気の時は、後遺症として胸の痛みが時々出てしまうことがあるかもしれません。でも、健康体であっても、こんな天気の時はなんとなく気分が晴れなかったりするものです。心配ないですよ。回復期にあって、ぶり返しているようなことはありませんから」とさらっと応えてくれた。

それじゃぁ、もう一つのどうしても朝4時に一度目が覚めてしまうことはどうなんだろう?先生に「4時に起きてしまってから、一日中ぼーっとして眠い感じがしますか?」と聞かれたので、「いえ、とりあえず7時くらいまでベッドにいて、それからは、以前とはうって変わって、午前中は調子が良く、ガンガン活動してます。でも、その反動で夕方には眠くなってしまうんです」と応えた。すると、「それは不眠でもなんでもない。大丈夫。健康そのものです。朝早く起きた分、夕方眠くなるのは健康な証拠。だからといって何も朝4時から活動しないでくださいね。これまで通り7時くらいまでベッドの中でうたた寝をしていたほうがいいでしょう。大丈夫、そのうちリズムが整ってきますよ」といわれ、二人でププっと笑った。どうやら私はかなり順調らしい。。


それにしても、私にとって、犬のことやオヤジのことはそんなにダメージじゃないのだろうか?
いや、私自身が本当に回復期にあり、ちょっとやそっとのことで寝込むようなことがなくなったということだろう。

先生の力強い言葉に安心し、ほっとした。今も痛む左胸のことも、たとえ今日が真夏日みたいに暑くても“低気圧のせい”と思える。こう考える事が前向き思考なわけで、先生はおそらくその辺も加味した上で私に話しているのだろうと思った。

とにかく良かった。
三人暮らしで、二人が病人だったら一人の肩の荷は重過ぎる。
そのことを充分知っている私と母は、いつになくお互いをいたわり合っている。だがそれは、決して美しい親子愛などではなく、“あんたに寝込まれたら大変なのはあたしだから”という自己愛に満ちた感情からくるいたわりであり、もちろんお互いそんなことは充分承知の上なのだ。

でも、まぁ、どんな形にせよ、いたわり合うのは良いことである。
母ちゃん、マジで元気でいてくれ。。

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この記事へのコメント

 あなたのことをここの場でしか知らないで
 申し上げるのも何ですが、あなたは急場に強いように
 思うわ。

 わたしの不整脈は右に跳ねるの、これはまだまだ色んな方に
 依存している証だと感じます、そして睡眠についても
 夜明けの問題だと推測いたします。

 わたしは自慢ではないですが、そこからもう、眠れないもの
 強いわ、あなたは。
 
Posted by anis at 2006年05月22日 00:01
これだけ大変な事が続いているのに体調が崩れることもなく日々を送っていける、よかったですねぇ、本当に。人の心は知らず知らずのうちに日常の中で鍛えられているのかも知れないですね。強くなったんですよきっと、yukikoさんは。もう私の励ましなんかいらなくなったんでしょうか。淋しいです……、なーんて冗談ですよ。断られても応援し続けますけどね。覚悟して下さいよ。
Posted by マロ at 2006年05月22日 00:05
anisさんへ
急場に強い・・確かにそれはあるかもしれないです。
でも、自分の事に関しては、それが発揮されないように思います。周りで起こった緊急事態の時などは、冷静にてきぱきこなしたりできるのだけれど…。なんでだろう…?
Posted by yukiko at 2006年05月22日 09:45
マロさんへ
励ましがあったからこそ、鍛えられ、強くなったのだと思います。
やっぱり一人では強くはなれない。ここでぶちまけて、受け止めてくれる人がいるっていうのは、本当に心強いです。一人じゃないんだって思えることってすごく大切ですよね。マロさん、これからも一つよろしく頼みますよ^^
Posted by yukiko at 2006年05月22日 09:50
私もときどき左胸が痛いです。
とくに今日は痛かった・・・。

それとは別に昨日の夕方に屋根裏で角材の角に後頭部をぶつけてしまい、、
その後同じ箇所を2回ぶつけました。
それが今痛いです。
頭はぶつけると怖いです。。。

うちも今、家族同士でいたわりあいながら日々を暮らしています。
すんごいハードな生活で、家族が倒れるとみんな倒れてしまうので
とてもすごい労働のときは
家族でローテーション組んで動いています。

母が今忙しくて倒れそうな感じ。>0<おぉぉ。

yukikoさんに応援ポチ☆
Posted by misomiso at 2006年05月22日 21:19
はじめまして!
そう!そう!結局は、「自己愛」なんですよね。
自分が究極に大事だから、まわりの人間も大事に出来るんだって思います。
「自己愛」万歳!
人の為って、結局は自分の為だったりするんですよね。
Posted by holly at 2006年05月22日 21:58
misomisoさんへ
そうか、misomisoさんも左胸痛みますか…。
お母さん、大丈夫でしょうか。。
なんだか他人事だとは思えません。
misomisoさんのご家族が皆さん元気でいられますように。
Posted by yukiko at 2006年05月24日 09:08
hollyさんへ
初めまして、コメントありがとうございます。
そうか、そういう風に考えることもできるんですね。
ちょうど今日イチロー選手も小学生に言ってました。
自分を大切にすれば、周りも大切にできるって。
私も自己愛バンザイ!
Posted by yukiko at 2006年05月24日 09:10
ご無沙汰しておりました!
引越し後、やっと環境が整い、性懲りもなく書き込みさせていただく運びとなりました(^^;

どやら外気温が安定しないので、体調不良の方が多いようですね。
ワタシの職場にも当日欠勤する者が見受けられます。
でも、休める時に休むのは1つの勇気で、自己愛でもあるワケです。
ですから、くれぐれも無理をなさらず、お母様との共同戦線に励んでください。

もう、ほんのわずか先にとても明るい兆しが見えることが我が事のように嬉しく思います。
Posted by pepino at 2006年05月27日 05:06
これからの季節 自律神経弱ってる者には 辛いものがありますね。

他にも持病もあるし…凹みっぱなし;
でも 少しずつ 小さないい事みつけて頑張りたいと思ってます。
Posted by MU- at 2006年05月28日 03:59

 答えはね
 メランコリー親和性というコトバに
 あります、あなたはひとのために
 頑張れる方だから鬱になったのよ

 人間くさい、失礼な言い方ですが
 みて見ぬふりできないでしょ
 あなた。

Posted by anis at 2006年05月29日 12:09
お久しぶりです。
復活を切にお祈りしております。
Posted by UT at 2006年06月01日 12:54
鬱ですか?自分と同じかどうかわかりませんけど、左胸痛くなりますよ。お父さんがそんな状況で、その程度で済んでるのはラッキーといえるのでは。
お父さん大変ですね。でも進行を遅らせることは出来るようです。
明日の記憶、とか、消しゴム、とか、そっちはアルツハイマーですが、想像するだに怖いですね。当然ですが経験ないんでコメントにしようがありませんが。
Posted by C介(お久しぶりです) at 2006年06月03日 21:38
お元気でいらっしゃいますか? ここのところ更新されてないようでおせっかいながら気になりまして・・。 

少しでも笑っている時間があること・・・祈ってます。お母様と一緒にどうか乗りきれるよう・・祈ってます。
Posted by みんみん at 2006年06月04日 01:44
きのうは心配しなかった。
Posted by BlogPetのラン at 2006年06月05日 13:53
yukikoさんお仕事忙しいのかな〜。
私は大変なことが起きちゃった@0@
お父さんが癌かもしれないす
近いうちみんなで病院にいきますだ。
おぉぉぉ。
yukikoさんまた遊びにくるね^^
Posted by misomiso at 2006年06月05日 21:15
いったい何があったのでしょうか。人生を左右する重大な出来事が起こっているのでしょうか。心配でございます。我々の心配など杞憂に終わる事を祈っております。私たちは貴女が元気に戻ってくるであろう事を信じています。
Posted by マロ at 2006年06月18日 20:15
勝手な願望として、あなたはどこかで書いていると思いたくなります。或いは何かしらこれから書くことを目指すあなたにとって大切な時間と場におられるのだと思いたいのです。
Posted by anis at 2006年07月02日 19:48
Suppers were eaten in 1802, even though the wind, the conscientious servant of God for more than half-way on the Polly's trim.
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