2006年05月08日

穴が開いちゃった

先月から今日までのこの一ヶ月間は、とにかく慌しいものだった。ランがいなくなって、父が入院して。最後、ゴールデンウィーク中は、サービス業に従事する私は仕事三昧だったので、心も体もフル稼働だったのだ。やっと、今日になってほっと一息ついたわけである。

渦中にいる時は気が張っていて、夢中になってその問題にぶつかっていられるからいいものの、こうしてぽっかり暇ができると、やはりいろいろ考えてしまうものだ。おかげで夕べからズキズキと偏頭痛に悩まされている。

しかし、何かを失うと、どうしてこう良かった思い出ばかりが蘇ってくるのだろうか?

私が仕事から帰って着替えようと仁王立ちしていると、その足の間を体を擦り付けながら、ランがぐるぐる回るのが私は大好きだった。私が帰ってきたことを精一杯喜び、甘えてくる仕草だからである。彼女がまだ若かった頃は、嬉しいといって、思い切り飛び跳ねてきたものだが、それができなくなってからは、派手さはないものの、じんわりと気持ちが伝わってくる甘え方をするようになり、それがますます愛しさを募らせた。

また、ランには、基本的には人間が食べるものを与えていなかったのだが、私の部屋にいる間は、おいしいものを一人で食べるのはかわいそうだったので、いつもちょっとずつ分けあって食べていた。お土産にもらったこんぺい糖がランは大好きだった。一度にたくさん与えるとあまり良くないだろうといつも少しずつしかあげなかったので、今もまだ残っている。そのこんぺい糖をみると、“もっといっぺんにあげちゃえばよかったな。あんなに嬉しそうに食べてたんだから…”と悔やまれる。カリッカリっと噛み砕く音が、ランの健康を物語っているようで、その音を聞くのも私の楽しみの一つだった。

ホント、どうしてぎゃんぎゃん吠えてうるさかったことや、重くて抱き上げるのが大変だったこと、なかなかおしっこが出なくて、何度も何度も寒い中外に連れて行ったことは、どこかへ吹き飛んでしまうのだろう。わざわざ思い出そうとしない限り、そういうことは頭の中に浮かんでこないものだ。良かったことばかりが次々と頭の中を支配していく。

あぁ、ダメだ、ダメだ。
こうして一つずつ思い出話なんか書いてると、どっぷりと悲しみに浸ってしまう。我慢がきかなくなって、涙が出てきちゃったじゃないか。

オヤジのことも書こうと思っていたのだが、ランのことで胸がいっぱいになってしまった。悪いが、オヤジのことはまた今度にしよう。

ごめんね、オヤジ。。

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この記事へのコメント
現実は思い出に変わる
時は自分の意に反して進む
過去を振り返る事は
自分の力になり自信につながる
現実を大切にすれば
過去の思い出として蘇る
今を大切に楽しく過ごせるか
それが思い出につながる
Posted by kawasemi at 2006年05月08日 21:30
人は忘れゆく生き物だ、とどこかで聞いた事があります。悲しい思い出や苦しい思い出ばかりが心に溜まっていけば、人間の弱い心は耐えられずに壊れてしまう。だから悲しみや苦しみは時と共に色褪せ、楽しい思い出しか心に残らない。これは心を持つ人という生き物の防衛本能なのでしょう。事実、人生はツライ事のほうが多いような気がします。でもyukikoさん、今は気が済むまで悲しみに浸ってもいいんじゃないでしょうか。ランちゃんと過ごした日々は楽しかったこともつらかったことも、すべてがyukikoさんにとってかけがえのない宝物なのでしょうから。思い出は前に進むための大きな力になると信じています。大切にして下さい。
Posted by マロ at 2006年05月08日 21:53
 ちらりと覗いた程度の哲学の物語論という分野の
 P・リクール氏は『時間と記憶』の中で
 「個体の死が記憶を物語として完成させる」
 と述べられています。

 物語をつくってみて下さい
 
Posted by anis at 2006年05月08日 22:17
kawasemiさんへ
現実を大切にすれば、過去は、自分の力になっていて自信につながる、という解釈で合っているでしょうか?
“今”が一番大事なんですよね。
Posted by yukiko at 2006年05月10日 09:05
マロさんへ
そうか、人間の持つ防衛本能の一つなのか。。

人生って実は大変なことの方が多いと私も思います。
その中でいかに楽しみを見つけ快適に生活していけるか?が人間に与えられた課題なのでしょうね。

ランとの日々は、私の宝物です。これからもずっと…
大切にしなくちゃ、ですね。
Posted by yukiko at 2006年05月10日 09:10
anisさんへ
できるかな、私に…
Posted by yukiko at 2006年05月10日 09:11
時間ってすごいよね
つらいこともいつしか『あんなことあったなぁ』と振り返られる
そこにはその当時のつらくて悲しかった気持ちは消えうせてたりする
だから、あたしは人生ってつらいことより、喜びや楽しいことのほうが
多いように思うの
てか、思いたいな☆

涙がこぼれそうなときは
坂本九さんの『上を向いて歩こう』
永遠の名曲だよね、これ
Posted by ハム太郎 at 2006年05月10日 11:48
思い出や経験として過去の出来事を思いだすことは、
インパクトが強い体験をした時です。
それは結果が良い悪いに関係なく、大切にした時がインパクトになります。
頭の中で繰り返し蘇る記憶が強烈なインパクトになり、
思い出として蘇ると思います。
大切にしているということです。
しかしトラウマは意志に反しているので区別します。
私は忘れたい事は考えないようにしています。
忘れたくない事は何度も考えて何時でも思い出せるように記録します。
日記や写真をとる事は忘れたくない事です。
忘れたい事は残さないでしょう。
Posted by kawasemi at 2006年05月10日 21:31
ハムちゃんへ
ほんとに時間ってすごい。
と思えるように、いろいろな経験を自分で租借して切り捨てたり身に付けたりしていかなくちゃいけないんだよね、きっと。

『上を向いて歩こう』
ちゃんと歌詞覚えてるかな。。
Posted by yukiko at 2006年05月10日 21:37
kawasemiさんへ
>私は忘れたい事は考えないようにしています。
>忘れたくない事は何度も考えて何時でも思い出せるように記録します。

思い出も自分でコントロールできるということですね。
そういえば私、忘れたいことなのに、そのことグチグチ考えてること多いかも…。考える時間が減れば減るほど、思い出として蘇ることは少なくなる。
そんな当たり前のことが、まだまだわかっていなかったようです。
kawasemiさん、ありがとうございます。
Posted by yukiko at 2006年05月10日 21:41
自分に素直にと思います。
忘れたい事でも考える事はあります。
それは自分の真意なので受け入れます。
自分に素直に考え行動する事が、
インパクトになり、
記憶になります。
時や情勢、世間に流される事なく、
思い出に残る行動が楽しいと感じます。
Posted by kawasemi at 2006年05月10日 21:55
孤独と言う 最良の理解者と向き合う 『時』では。

本当の大切な事は、誰も教えてくれない

分かっていく しかない。
Posted by 通行人 at 2006年05月10日 23:04
kawasemiさんへ
自分に素直に行動すること、自分の意志を持って行動すること、周りに流されるのではなく。
しっかり自分の足で歩いていきたいです。
Posted by yukiko at 2006年05月11日 08:10
通行人さんへ
私、確かに今、この孤独から逃れようとばかりしているように思います。
きちんと向き合って分かって行きたい。
Posted by yukiko at 2006年05月11日 08:12