2006年04月26日

エゴを捨てる

動物は自分の死を感じ取ると、死に場所を求めて飼い主のもとからいなくなってしまう習性があるという。犬も同じらしい。

車のディーラーをやっている弟に、中古で手頃な価格でコンパクトな車がでてきたら教えて欲しいと前の車が壊れてしまってから頼んでいたのだが、弟からの連絡はなかなかなく、しびれを切らせて私から連絡を入れると、「う〜ん、いつ出てくるかわからないな」と長期戦になることを匂わせていた。

車のない私の生活は不自由そのもので、家族にも迷惑をかけていた。そんな中でのランの失踪。私の心は深く沈みこんだ。“なんで?なんで皆いなくなっちゃうの?”

だが、ランがいなくなった翌日、うそみたいに、私が提示していた条件にほぼぴったりの車が入ってきたと弟から連絡があったのだ。

その時私は、“もしかしたら、ランが引き合わせてくれたのかもしれない”一瞬そう思ったのである。だから、必死になってランを捜し求めている傍ら、私の心の中の深いところでは“ランはもう戻ってこないかもしれない”と感じ取っていたように思う。

ランは15歳だ。
人間でいうと100歳を越えている。
普段から歩くのさえおぼつかない彼女が、そんなに遠くへいけるはずがないのだ。彼女は、私を思って、私が強く悲しむのを知っていて、最期の姿を見せないよう出て行ったのではないか。。今は、強くそう思うようになってきた。

もし、今、彼女が帰ってきたとしても、一緒に過ごせる時間はもうわずかだ。私は介護に時間をとられるだろう。ランはそれを良しとしなかったのではないか。迷惑をかけたくない。そんな気持ちでトコトコと出て行ったように思えてならない。

もし、そうだとしたら、私があまり強くランのことばかり考えていると、彼女は安らげないのではないか。私の心を満たすために、彼女を、中途半端な世界にとどまることだけは避けてやらなければならない。彼女を安住の地に送ってやるのが、もしかしたら、私ができる最後のランへの思いやりなのかもしれない。

私は、“ランはいつも自由に生きてきた。今もきっと自由に自分の好きなことをして楽しい生活をしているんだ”そう思うことにした。“帰ってきて欲しい”と願うより、“どんな形であれ、幸せでいて欲しい”そう思うことにしたのである。

ランは、私の車だけでなく、私達家族全員が、その後に起きる大きな問題に直面するのを知っていたかのように出て行った。彼女がいたら、私と母の負担は今よりもっと大きなものだったであろう。

彼女は、本当に可愛くて賢くて手のかからないいい子だった。
15年間、いろいろな思い出をありがとう。
お互い幸せでいようね。

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この記事へのコメント
姉さんおはよう♪

姉さんつええな!あたしならずーっとふさぎ込んでるかもしんない
大切なもの・ひとはいつまでも自分のそばに。。。
やっぱりあたしは欲張りなエゴおんなっす
Posted by ハム太郎 at 2006年04月26日 11:38
ずっとランちゃんが見つかる事を祈っていたのですが・・。

うちで昔飼っていた猫も突然いなくなりました。
泣いた私に隣のおばさんが「猫はね、寿命が近づいたら猫山に行くんだよ。死ぬところを見せないんだよ」と。
その時は理解できずに悲しんでいました。でも今はわかるかなあ・・。

一緒に暮らしてきてお互い思いあうのは人間も動物も同じですよね。
yukikoさんが大好きだったはずのランちゃん、今もyukikoさんがどうしてるかな〜?なんて思っているかも、ですね。
Posted by かつみ at 2006年04月26日 15:13
ランちゃんはyukikoさんのことが大好きなんですね。
yukikoさんからもらった愛を大事にしておきたいって思ったんだろな。
好きな人に迷惑掛けるのが辛いって思うのは、ランちゃんも一緒なんだね。
yukikoさんが苦悩の末にプラス思考になっているところ見ていると、
私はとても嬉しいです。
Posted by 朱花 at 2006年04月26日 17:42
実はコメントを残したときyukikoさんと同じような
気持ちを抱いていました。。

潔いランちゃん、そして苦しんで、考えて、今の結論を出したyukikoさん、
どちらもとっても立派だと思います。

きっとね、大事なことはランちゃんがどういなくなったではなく、15年をどう過ごしたか。これにつきると思います。愛されて幸せだったと思います。
ほんとうに大事なものって目にはみえにくいんですよね、きっと。心の目で見て感じる・・これってすごく大事ですよね。

PS. 車、ランちゃんのプレゼントかも。。

Posted by みんみん at 2006年04月26日 22:31

 あなたは割り切ったコトバを遣っていられるけれど
 赦すとか赦さないというのは
 赦せないものを赦すという矛盾に
 ある、とわたしは最近、そんなことを考えています

 ワダカマリは大切にして下さい
 忘れ難さを、あなたの経験、貴重な経験だと
 僭越ながら思いました。

Posted by anis at 2006年04月27日 00:33
ゆっくりでいいから前へ進まなきゃね。
時間はいつも流れつづけているんだもんね。
たくさんのメッセージを詰め込んで一言、
「ガンバレー!」
Posted by トキ at 2006年04月27日 00:48
愛する者を失う事ほどつらい事はありませんが、愛情の深さや悲しみは決して他人に理解できるものではありません。ましてや私たちはこの場だけしか接点の無い見知らぬ者同士です。だから私は無責任な慰めや同情は避けてきました。しかし今回の記事でyukikoさんの決意の程はしっかりと伝わってきました。愛情が大きければ大きいほど訣別にはより大きな覚悟が必要になります。決して忘れてしまうわけではないけど思い出は思い出として胸にしまい前に向かって歩きだす、yukikoさんはその一歩を踏み出したのですね。いつまでもずるずると過去をひきずってしまう私もyukikoさんを見習いたいと思います。yukikoさんとランちゃんに幸多からん事を。
Posted by マロ at 2006年04月27日 02:04
yukikoさん、お久し振りです。

母方の祖父母が亡くなった時、どちらの場合も私はお通夜・葬儀共に参列出来ませんでした。それはすなわち、もう生きた祖父母は居ないのだと言う事実を、目の当たりにしていないという事を意味します。

しかしそれ故に、今でも遊びに行けば元気な姿でそこに居るような気がします。例え姿が見えなくても、何処か近所に出かけているのだろうと思えるくらいに。私の中で彼らは思い出にはなっておらず、本当に今でも生きているのです。

yukikoさんの場合はランちゃんと同居していらしたから、いつも居たものが居なくなった事を実感せずにはいられない事でしょう。しかし、最期の姿を見ていないからこそ、yukikoさんの中ではずっとランちゃんが生きていられるのじゃないかしら…と、勝手ながら自分の経験と重ね合わせて思ってしまいました。
Posted by Sari at 2006年04月27日 08:26
ハムちゃんへ
強くなんかないよ。
弱いから現実から逃げようとしてるのかもしれない。。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 08:58
かつみさんへ
そうか、猫は猫山に行くんだ。。
ランも犬山へ行って、友達がたくさんできてるといいんだけど・・。
要領がいいから、犬山へ行っても、よそのおうちに行っても可愛がられてると思うのです。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 09:01
朱花さんへ
ランは意外としっかり者なんです。
私が車庫入れをしていると、ぶつかっていないかどうか、車と壁の辺りをいつもじっと見つめていました。
私が泣いている時は、何も言わずそばによってきて、足を舐めたりします。普段はそんなことしないのに…。
世話をしたつもりでいたけれど、やっぱり私が世話になっていたんだろうなぁと今はつくづく思っています。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 09:03
みんみんさんへ
>きっとね、大事なことはランちゃんがどういなくなったではなく、15年をどう過ごしたか。これにつきると思います。愛されて幸せだったと思います。

そうか、とても良い言葉をありがとう。
いなくなった前後のことばかり考えていたけれど、それよりも一緒にいた15年がどうだったか、それが大事なんですよね。
目からウロコでした。
彼女が過ごした15年は幸せだったと思えます。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 09:05
anisさんへ
>忘れ難さを、あなたの経験、貴重な経験だと
 僭越ながら思いました。
忘れ難いって辛いですねぇ。
失恋でも味わってきたけれど、これはまた別格の経験になりました。


Posted by yukiko at 2006年04月27日 09:07
トキさんへ
たくさんのメッセージ、ありがとう。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 09:08
マロさんへ
私もいつまでもズルズルと引きずってしまうタチなのです。
が、今回のことで学んだことがあります。
後悔が少なく、その相手が優しければ優しいほど、逆に引きずることが少ないではないのだろうかと。。
感謝の気持ちのほうが強くなるんですね。。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 09:11
Sariさんへ
お久しぶりです!
Sariさんのおっしゃる通りなんです。
ランはいつまでも私の中では生きているままだと思います。
思い出すのは、気持ち良さそうに部屋で大の字になって寝ている姿や、
何かが気に入らなくて、あさっての方に向かって吠えてる姿。気持ち良さそうにお天気の良い日に芝生の上を歩いてる姿などなどで、私の記憶はそのままでいられます。本当にランはいい子です。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 09:14
ちゃんと保健所にも情報を流してありあますか?
Posted by あああ at 2006年04月27日 12:21
あああさんへ
はい。
思いつくこと、教わったこと、すべてやってみました。
県内の保健所3箇所への連絡、警察への届出、もしもの為の清掃局への問い合わせ、電柱にチラシ貼り、地域情報ホームページへの書き込み、HP作成…。

これまでに一度だけランに違いないと思える情報を提供してくださった方がいたんです。ホームレスで犬好きの人が白くてひげのある犬を保護していると。
間違いなくランだと思い、喜び勇んで教えてもらったところへいくと、ランにそっくりな別の雄犬がいました。。

たくさんの方にお手伝いや励ましの言葉をいただきながら、朗報を伝えられないことを、私もとても心苦しく思っています。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 13:39
大事な何かが無くなってしまうと、その無くなったことにしか心がいかなくなってしまうけど、その事は きっと大事な何かを気付かせてくれる。
だから、ランちゃんも yukiko姫の側を潔く離れたのは、yukiko姫が今回気付いた気持ちを最後にプレゼントしてくれたのかも。。。

なんか、うまく言えないけど ごめんね。

ランちゃんに胸を張って、今 これを頑張ってるよって言えるyukiko姫でいて下さいね。
Posted by はなもぐ at 2006年04月27日 14:06
はなもぐさんへ
ランは本当に最後の最後までたくさんのプレゼントをしてくれました。
ほんと、ランに胸を張って“私、結構イケてるでしょ”っていえるような私でありたいです。
Posted by yukiko at 2006年04月27日 14:33
しばらく心配で、このブログ見れませんでした。でも、やっとこさ、yukikoさんの中に光が見えてきた。

あの朝、ツーショットの写真を撮りたかったのは、きっとランのほうだと思うよ。粋なこと、しやがるじゃないか。わんこなのに?

わんこじゃなかったのかも?ほんとは。yukokiさんを守るために遣わされた天使?・・・ランとyukikoさんのしあわせ、心から祈っています。
Posted by のん at 2006年04月29日 14:37
のんさんへ
のんさんの言葉に思わず涙ぐんでしまいました。
写真を撮りたかったのはランだったなんて、考えもしませんでしたから。。
本当に粋なことしやがる犬だ。

のんさん、ありがとう。
Posted by yukiko at 2006年04月29日 21:57
たまたまたどりついた者です。
心は落ち着きましたか?
同じ命を愛する者として、とても共感しました。

お体の方はどうですか?
お元気でいて下さいね。
ここで出会ったのも何かのご縁。
また遊びに来させていただきます。

それでは。
Posted by のぶりん at 2006年05月02日 21:56
のぶりんさんへ
初めまして。
ご心配いただきありがとうございます。
私が元気で待っていてあげないと、彼女の介護は誰にもできないから。。
いつ戻ってきても大丈夫なようにスタンバイしてます。

是非また遊びに来てくださいね。

Posted by yukiko at 2006年05月02日 22:03
Good work! Thanks!
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Posted by Fillipo at 2007年03月12日 02:54