2006年03月24日

さくら

一ヶ月ぶりに診察を受けた。
早いもので、病院とのお付き合いも、もう一年と二ヶ月になる。

去年の今頃は、まだ起きているのもままならない状態で、病院へ行くのが唯一の外出で、一週間に一度の通院日が苦痛でたまらなかった。前日になると“明日病院へ起きていけるかどうか”そんな不安で気が重く、眠れない夜を過ごしたものだ。

自宅から病院までは、道路が空いていても車で約40分程かかる。母に運転してもらい、私は助手席で横になっているのが精一杯で、もちろん、外の景色など見る余裕などその時の私には全くなかった。

やがて、自分で運転して病院へ行けるようになったものの、まだまだ周りの景色をみる余裕などなかったのだろう、私は、今日初めて、病院のすぐそばの民家に、立派な桜の木があることに気付いた。暇だからと付き添ってくれた母もびっくりしていた。「こんなところにこんなに立派な桜の木があったなんて…。去年は全然気付かなかったね」と。。

診察日は、具合が良くなるにつれて、だんだん間隔をあけて予約をとるようになる。一週間に一度から二週間に一度になり、やがて、三週間になり、一年経ってやっと一ヶ月に一度になった。ということは、去年は、桜が咲いている間、何度も病院へ通ったはずである。だが、桜の話は一度も出なかった。私だけでなく、付き添わなくてはならなかった母も、同じように余裕などなかったのだろう。

その桜の木は、まるで私達に春の訪れを気付かせるかのように、たくさんの花を咲かせていた。母はまるで少女のように「うわぁ、綺麗。立派な古木。今年初めて桜見ちゃった!」とはしゃいでいた。

その時私は、病気で苦しんでいたのは私だけではなかったということを、改めて考えさせられた。母も、嫁にも行かず、病気になって会社を辞めた30代後半の娘を抱え、どんなに不安だったことだろう。本来なら私が母の面倒をみるべき年齢である。それを64歳の母に甘え切って面倒を見させてしまったのだ。

私は、これまで、姉と弟と比べて自分が一番親に心配をかけていないと自負していた。だが、ここへ来て、誰よりも親を心配させ、迷惑をかけてしまっている。だが、そんなこと何処吹く風で「あんたの事は死ぬまで私が面倒みるから」と毅然と言ってのける母。もう脱帽である。そんなことを言われたら、本気で親孝行したいなと思うではないか。。

しかし私は、これからも両親に心配かけ続けようと思っている。なぜなら、心配事がなくなって急にガクっと年を取られたくないからである。

そんなことにならないように、私は元気になったら次々と変化を起こし、両親に新鮮な風を送り続けたいと思う。結婚して子供を産んで、孫の世話を押し付けたり、派手な夫婦喧嘩をしてドギマギさせたり。

そうやって心配かけ続けるのも、一つの親孝行ではないかと開き直っている私である。

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この記事へのコメント
親に心配をかけ続ける事、なるほど、ステキな親孝行ですねぇ。親はいつまでも子供に関わっていたいと思うのかもしれませんね。私は親と遠く離れていて、たまーに連絡するぐらいで何をしてあげれば良いのか分かりませんでした。何度か贈り物をしましたが、正直こんなんでいいのか?と思っていました。すぐに会えない場所にいるからこそ何かしなければ、と考えていたのですが……。yukikoさん、その親孝行、使わせてもらいますよ。さぁーて、毎日電話したくなるほど心配かけるぞ!って、すでに兄弟の中で一番心配かけているような気がする(;-_-)yukiKoさんの親御さんはyukiKoさんの事をとても愛してるんですね、そしてyukiKoさんも親御さんの事をとても愛してる。桜のエピソードでそれがとてもよく伝わってきました。これからもどんどん心配をかけていきましょう。順番からいくと仕事の次は彼氏なのかなぁ。
Posted by マロ at 2006年03月25日 01:55
お母様との関係とても理想的ですね。
私の場合は親が年取ってからできた子ですので、普通のひとよりずっと早く介護生活に入りました。あっというまに親は私を守ってくれる存在ではなく
私が親を守ることになってしまいました。

そうなってわかることは、他人の通りいっぺんの対応にがっかりし、次に怒りがわいてきて、最後には全く他人なんてあてにならん。頼れるのは自分だけだという静かな決意に到達しました。

まったく親からは様々なことを経験させてもらったと実感します。夫婦や友人もいいけれど親子ってのも結構捨てたもんじゃないですよ。汲めども尽きぬ泉みたいなもんですかね。
Yukikoさんもライターをめざしてらっしゃるそうですが、一度ご両親をじっくり観察してみてください。まさに宝の山です。(これホント)
Posted by ちゃらじ at 2006年03月25日 04:45
マロさんへ
えへへ、とってもいい案でしょう^^
両親も年を取ってだんだん寂しいという感情が強くなってきたように思います。“居てくれてよかった”といわれる場面が増えてきました。だからといって家に縛り付けようというわけではないところがまた泣けてきます。
よぉし!どんどん心配かけるぞ!
Posted by yukiko at 2006年03月25日 07:36
ちゃらじさんへ
“私が親を守る”
私もいつか必ずその立場に立ちます。
ちゃらじさんが教えてくれたこと、胸に焼き付けたい。。
私もちゃらじさんのように“頼れるのは自分だけ”と静かに決意できるだろうか…。真剣に向き合えば向き合うほど、ぶつかる壁なのでしょうね。。

私も親子って捨てたもんじゃないってつくづく思います。
ほんと、宝の山。他人には見えないものが見えるんですもんね。
両親が会話をすると、いつもじーーーっと耳を傾けてしまいます^^
Posted by yukiko at 2006年03月25日 07:42
とても素敵な考えですね。
ほんとに感動してしまいました。逆の発想で親を想う気持ちが伝わってきます。^^

親子の関係はいくつになってもいいものですね。改めて考えさせられました。



Posted by komoko at 2006年03月25日 12:05
私は子どもの頃骨折する事、10数回。入院したり、手術したり。
熱が下がらなくて一ヶ月くらい学校を休んだり。
お隣のおじさんも会うたびに違うところにギプスをしている私に、呆れ顔。
でもそんな時亡くなった祖母が「(兄弟の仲で)一人くらいそういうの(親に心配ばかりかける奴)がいたほうが親にはいいのよ。」といってくれた事が私を今でも救っています。
三人とも20歳を超えてみれば、極々普通に学校行って就職して一番の大道を行ったのは私。
あと、十年したらもしかしてyukiko姉が一番安心して見てられる子になるかもよ。それとも、三人まとめて悩みの種かも(笑)家族が増えてるから、その三倍も四倍もかもね。
きっと私達が心配ないと思っていても、親は勝手に心配してると思うな。
親ってそういう生き物なんだと思う。
Posted by あつこ at 2006年03月25日 13:19
komokoさんへ
仕事を持たない二人をそのまま放っておくと、すぐにボケちゃいそうで^^

私は、これまで一番両親と距離があったように思います。
今回こうして家にいるようになって、生まれて初めて近くに存在するんだってわかったように思います。本当に、親子の関係っていくつになってもいいものですね。。
Posted by yukiko at 2006年03月25日 20:11
あつこちゃんへ
ほんとに素敵なおばあちゃん。
そういうことをさらっといってくれる人が近くにいたあつこちゃんは幸せもんだね。。

私が一番安心して見てられる子になれるかな。
どっちかっていうと3人まとめて悩みの種になってそう…頑張れ、両親!

親になるって本当に凄いことだなって今はしみじみ思う。
だからこそ、親になってみたいなって最近は思うようになったりして^^
その前に越えなきゃならない山があった…。
Posted by yukiko at 2006年03月25日 20:17
お元気そうで良かったです♪
仕事のほうも順調のようなので。
体のほうはどうなのかなって思っていましたが。

僕も親に心配かけっぱなしですけど。
そういう親孝行もあるんだなって思いました。
自分ではしっかりしていると思っていても。
やっぱり親はいつまで経っても親ですよね。
なので僕もずっと心配かけまくりです(笑
Posted by blue at 2006年03月25日 21:09
幸せよう。おばあちゃんが死んでからの方が、おばあちゃんの事を好きになった気がする。
あんなに涙が出るなんて思わなかったし。嫁姑でオカンが色々言ってたのもあったからなぁ〜。
ただ、こんなにも愛されていたって事実は私を強くしてると思う。

ウチはすでに三人まとめて心配の種ですけど、・・・何か?
Posted by あつこ at 2006年03月25日 22:31
blueさんへ
嬉しいなぁ、体のこと心配してもらえるなんて。。
焦らず急がず、体の声を聞きながら、徐々に仕事の日数を増やしていければと思っています。最初は週二日が限界だったのに、今は三日が普通になってる。来月か再来月には四日になってるといいな。。

最近は、いろいろと細かいことができなくなってきている両親。
私ができることは代わってしてあげて、心配かけるところは心配かけっぱなしで、プラスマイナスゼロ!みたいな☆
Posted by yukiko at 2006年03月25日 23:33
あつこちゃんへ
うぅ、またもや名言。
>こんなにも愛されていたって事実は私を強くしてると思う。
そうだねぇ、愛されるって強くなれるんだよねぇ。
ほんと、幸せ者だよ。

三者三様だから、うちも結局違う形でそれぞれが心配かけてるんだろうなぁ。
Posted by yukiko at 2006年03月25日 23:37
春ので一つとかをびっくりしたかった。


Posted by BlogPetのラン at 2006年03月26日 15:07