2005年12月20日

続 傷を癒して・・

B子ちゃんは、彼との通信手段をすべてシャットアウトすることで、自分を守ろうと必死だった。だが、A君は、着信拒否をされても何度もB子ちゃんに連絡し、その痕跡を残していた。

B子ちゃんは、その着信履歴を見て、わずかの可能性にかけてしまったのである。
“何の電話だったんだろう?”“もしかしたらもう一度やり直そうって言いたいのかな”と。でも、必死になって我慢した。“別れた方がいい、今が踏ん張り時だ”と。

だが、毎日かかってきた電話がなくなり、一日おきに会っていたA君が突然消えてしまったことは、B子ちゃんの想像をはるかに越える辛さであり、B子ちゃんは、その辛さに勝てなかった。そして、A君へ自ら電話をしてしまったのである。

ところが、A君の電話は通話中でまったくつながらない。B子ちゃんは、いてもたってもいられなくなった、“きっと新しい彼女と電話してるに違いない”B子ちゃんは、何回かリダイアルした後、もうどうしようもなくなり、車の鍵を取り出してA君の家に行ってしまったのだ。

部屋には明かりがついていた。A君は家にいる。何度もピンポンを鳴らした。
だが、電話に夢中になっていたA君は、その音にすら気が付かなかったのだ。B子ちゃんの心の中に“居留守だろうか?”という気持ちがよぎった頃、やっとA君の家の扉が開いた。

A君とB子ちゃんは、最初は冷静に話をした。
二人は一度別れている。同じ理由で二度目の別れが来たのだ。お互いに“合わない”という事実は認識している。だが、B子ちゃんは、その事実を認識することはできても、彼が別れと同時に新しい彼女を、いや、前から好きだった彼女と付き合いはじめていたこと、突然関係がぷっつり切れてしまって、自分がどうしていいかわからなくなってしまったこと、この事が彼女を苦しめ、A君から離れられなくしていたのだ。

話がどんどん核心に近づくにつれ、もうどうしようもないと悟ったB子ちゃんは、錯乱状態に陥ってしまった。そして、「もう生きていたくない」とA君を責め続けたのだ。

A君は必死にB子ちゃんをなだめ、落ち着くまで彼女を家に帰さなかった。
そして、「心配だから送っていくよ」というA君を見て、B子ちゃんは、ますますA君を離したくなくなってしまった。なぜなら、B子ちゃんはその時、A君がどんな時でも自宅まで送り届けてくれたことを思い出したからだ。口うるさく文句ばかり言って、彼を困らせていたB子ちゃん。別れ際になって、A君の優しさばかりを思い出し、自分を責めることばかりしてしまったのである。

もうこうなってしまってはどうしようもない。
だがその日、B子ちゃんは「もう大丈夫、心配かけてごめんなさい」と必死の思いで言い、一人でA君の家を後にした。一度感情を思い切り吐き出したB子ちゃん。
その日の夜は、興奮しながらも少し気が晴れたと言っていた。

だが、翌日、昨晩の光景とともに目が覚めてしまった。
もうダメだ。涙は後から後から溢れ出てくる。B子ちゃんは、また自らA君に電話してしまったのだ。「私、こんなに辛くなるとは思わなかった。もう、どうしていいかわからないの。そばにいてくれないとダメなの。」今までそんな弱気なセリフ、B子ちゃんは一度も吐いたことがなかったという。だが、A君に「もう決めたことだから。同じ理由で別れを繰り返しても意味がない。それにもう気持ちがなくなってしまったんだ。ズルズル会ってもB子の為によくない。だから、もう俺はお前に何もしてやれないんだ」そう言われ、用事があると言って電話は切られた。B子ちゃんは、ただただ泣いていた。

私も、別れを切り出されて後悔する事が多いタイプだ。
B子ちゃんが、振られた後、A君にすがってしまった気持ちはよくわかる。
だが、誰に聞いても「そんなことするのが一番ダメなこと。後悔させるぐらい綺麗さっぱりさよならしてやりなさいよ」そう言うだろう。だが、この負のスパイラルに巻き込まれている時は、わかっていてもなかなかできないものである。

私は、B子ちゃんのことを誤解していた。
もっと大人で、もっとクールで、こんなに彼にすがったりするような女性ではないと思っていたのだ。だが、本当は強がっているだけで、素直になれない不器用な寂しがり屋の女性だったのだということを初めて知った。

私が今、B子ちゃんにしてあげられることは何もない。
彼女は、必死になって楽になる方法を探しているが、そう簡単にB子ちゃんが楽になることはないだろう。

“本当に相手を愛していない恋愛は上手く行かない。本当に愛し合っているならば、恋愛は簡単にうまく行くものである”という一節を思い出した。

B子ちゃん、本当にA君を愛していたの?

もうB子ちゃんに頑張れとは言わない。ただ、できるだけそばにいよう。

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この記事へのコメント
初コメ失礼いたします。
ランキングから飛んできて、
いつも楽しく見させていただいております(≧∇≦)キャー♪
yukikoさんの書く文章にいつも癒され、渇をいれられております笑
毎日書き続けるのも大変だと思いますが、
がんばってくださいね☆
応援してまぁすρ(′▽`o)ノ゙ ファイトォ〜♪
Posted by ぶたまん at 2005年12月20日 14:15
【割れ鍋にとじ蓋】は正しくは【破れ鍋に綴じ蓋】でした。【破れ】を“われ”と読むんですねぇ。
で、【破れ鍋に綴じ蓋】ですが、破損した鍋にもそれにふさわしいとじぶた(修繕したふた)があるように、どんな人にもふさわしい配偶者があるというたとえ、でございます。大概使われるのは、「へぇ〜・・・あんな人にも恋人もしくは配偶者がいるのね」とゆう気持ちのときだと思います、はい。

それにしても続編。読んでなんだか苦しいですね。いざ自分が当事者になると客観できないですよね。そして、友達の意見を冷静に聞いて考える余裕もなかったりする。恋愛してないと実に冷静(?)なあたしも別れたときかなりひきずった経験あり(笑)今はいい思い出ですが。。。
B子ちゃんには早く涙とお別れして、笑顔を取り戻してほしいものです☆
Posted by ハム太郎 at 2005年12月20日 14:17
ぶたまんさんへ
初めまして、コメントありがとうございます☆
エールコメント嬉しかったです。
今後ともよろしくお願いします☆
Posted by yukiko at 2005年12月20日 19:12
ハムちゃんへ
なるほど・・・大変勉強になりました。
私、ことわざとか四字熟語は好きで、結構自信あったんだけど、まだまだですね。これから【破れ鍋に綴じ蓋】を使うチャンスがないか目を光らせておこうっと♪

自分が当事者になると、どんなに友達が親切にしてくれても、なかなか気持ちに切替はできないものですよね。。
私も当事者でないときは、きわめて冷静に友達に助言しちゃったりするのですが、当事者になるともうヘロヘロです。

B子ちゃんに笑顔が戻る日を信じて☆
Posted by yukiko at 2005年12月20日 19:18
続編があったのか〜。
関係ないけど、昔「別れよう」と言ったその15分後に、「やっぱり別れるのをやめよう」と言ってきた人がいた。
でも、その時の私は、テコでも動かない感じでしたね。
駄目なときは駄目なんですぢゃ…。

<業務連絡の続き>
更新マークがつきませぬ(涙)。
もう一人、つかなかったサイト様(livedoor)はついたんだが…。
ちょっと様子を見させてくだされ。お手数おかけしてすまぬ〜〜。
Posted by 由巳ゆみ at 2005年12月20日 19:52
どうも〜。昨日は優しいお言葉ありがとうございました。
今日はますます、読んでいてツライ内容で……。

本当に愛していたから、傷つけあうような別れ方はなるべくしたくない。
後悔しない別れ方をしたい。
なんて、キレイごとなんですかね……。

B子さんが早くAさんを思い出にできますように。
Posted by まぷ at 2005年12月20日 20:38
ん〜(・_・;)難しい…ワタシがB子ちゃんの立場なら、連絡取らずに忘れる努力をするね☆子供みたく正直過ぎてそこが無神経なオトコと付き合ってた自分に喝!って訳で相手を責める訳でもなく、後悔するでもなく前を向きます☆
後ろ見てたら視界がぼやけちゃうもんねぇ
Posted by ムーちゃん@携帯 at 2005年12月21日 00:26
ゆみちゃんへ
さすがゆみちゃんだなぁ。
15分後で私にまだ気持ちが残ってたら、私は「うん」って言っちゃいそう。
ゆみちゃんのその辺の強さ、見習いたい。。

更新マークつかない(涙)
私が貼り付けた場所が違っていたのか?
こちらこそお手数おかけしてごめんなさい。
新たな情報が入りましたらご連絡くださいませ。
Posted by yukiko at 2005年12月21日 10:37
まぶさんへ
私も考えてみたんですけど、傷つかない別れ方って完全に二人とも気持ちが離れてるとか、二人の気持ちがまったく同じでない限り難しいんじゃないかと。二人とも同時に別に好きな人が出来たとか・・。ありえなさそう。。
B子ちゃん、もがいてますが大丈夫だと信じてます☆
Posted by yukiko at 2005年12月21日 10:39
ムーちゃんへ
やっぱりムーちゃんの意見はさすがです。
思い切り「う〜ん」とうなってしまいました。
自分に喝を入れ、後悔せず、前を向く。
もう少し経ったらB子ちゃんもきっとその境地へいけるはず。
早くいけるといいのにね。。
Posted by yukiko at 2005年12月21日 10:42
続編が!
う〜んA君は本気でB子さんとお友達として付き合い続けたかったんですね。
だからB子さんがまだ恋愛を望んでいると知ったらあわてて離れてく・・。
そんなに何でも自分の思うとおりにいくことは無い!とA君がいつか知る日がくればいいですけど。
B子さんにエールの意味を込めてポチ。
Posted by かつみ at 2005年12月21日 11:14
かつみさんへ
そうですね、どうやらA君は本当にお友達になりたかったようです。
でも、A君の心はもう別にあるので、B子ちゃんと友達になることはできないと・・。
ポチありがとうございます☆
Posted by yukiko at 2005年12月21日 11:18
初めまして。読んだ時、これって私!?って思うぐらい私の今の状況にそっくりだったのですごくびっくりしました。まぁ、まさか新しい彼女とも友達にとは言われませんでしたが(;^_^A別れて一週間程で彼女の事を聞かされ、その後は愚痴まで。。だからすごくB子さんの辛さが分かります。私自身も立ち直るのに相当時間がかかると思いますが、B子さんも自分と同じ痛みを持ってる人がいるって思って、少しでも楽になって頑張ってほしいです。
一緒に乗り越えましょう!
Posted by ぷぅ at 2005年12月21日 12:12
ぷぅさんへ
初めまして、優しいコメントありがとうございます。
どうして新しい彼女のことを話すのでしょうね。。
多分、彼らは、B子ちゃんにもぷぅさんにもこれまでも言いたい事をいってきたのではないでしょうか。だから、話しても傷つかないと思っている。。

後悔せず、前を向いて乗り越えられますように☆
Posted by yukiko at 2005年12月21日 12:22