2005年11月21日

学び

思い返してみると、私は看病する立場というものに殆ど縁がなく育った。
両親はずっと健康で、姉も弟も元気だ。私が一番病気に縁があったように思う。
そんな中でも、ほんの少しだけある看病の記憶を辿ってみた。

母が骨折して二度の手術を受けたことがある。入院中や退院後少しの間私が面倒を見たが、これは看病のうちに入らないだろう。骨折は順調に治って行く。しかも母はとても前向きな人で、リハビリも自ら進んでやり、コルセットがついたままゴルフをラウンドしてしまうような人だ。自由が利かない間、私にアレとってだのコレ持ってだの、そういうことを言うものの、病人ではなく前途明るい怪我人だった。私は、なるべく出来ることはしてあげようとは思いつつ、自分が用事のある時に何か頼まれると「ちょっと待ってよぉ、今忙しいんだから」などと言ってしまったものだ。

それと比較して、私の病気の一番厄介な点は、数字にいっさい表れないことだろう。
例えば、骨折とか熱が出るとか血糖値がどうだとか何か検査をして数字が出て、それをだんだん増やすとか減らすとかいう目標があれば、誰にとってもわかりやすい。だが、まったくそういった目安はない。どんな症状が現れるか、いつ治るのか、まったく未知の世界だ。そんな病人と向き合って看病するのはどんな気持ちだろう。

一度だけ同じような立場に立ったことを思い出した。
母が更年期障害に苦しんだ時だ。眠れないと言っては日中ゴロゴロしていたり、耳鳴りがする、めまいがする、いろいろな症状を訴えた。一人で外出できず、付き添えば途中で気分が悪いと言っては座り込む。私には何がなんだかまったく理解できなかった。母は私を頼りきり、いつも私の名前を呼んだ。その時私はどんな気持ちだっただろう。私は、“一体こんな状態がいつまで続くんだろう。そのうち私の方がおかしくなってしまうのではないか”と心の中で少々うんざりしていたのではないか。今なら母の気持ちを少しは理解できる。が、まだ若くて元気な私にとって、母が家でゴロゴロしているのは、私にとって重荷であった。。

・・なんて私は勝手なんだろう。
自分が病気になってからは、理解を求めるばかりで看病する側の人間の気持ちなど殆ど考えたこともなかった。病気の私が一番大変なんだと。そればかり主張していたように思う。

そんな私に、大切な友人から心のこもったメールが届いた。
許可を得て引用させてもらうことにした。以下、友人からのメールの文章である。
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私は病気の当事者の気持ちも回りで看病や見守ってる人の気持ちも両方わかる。。。つもり^^;

今更言うまでもないと思うけど、病気で苦しんでる本人が一番つらく大変な気持ちは痛いほどよくわかる。そして今回つらかったのは多分きつい事を言った友人がゆっきーにとって大切な人から出た言葉だから余計につらくなっちゃったんだよね。

でもね、自分にとって大切な人(家族・友人・恋人など)がつらい病気にかかって支える人ってね、当事者とは違う、その人が大切であればあるほど、何もしてあげれないつらさと治ってほしい思いで、気持ちとは反比例した言葉を口にしてしまうんだよ。それが人間だから。

”病気が良くなってない。一生治らない。甘えてる。精神が弱い”みたいにね。

私のお母さんが病気になったときね、あれよあれよと言う間に癌です。早急に手術です。手遅れです。残された期間をどう過ごしますか。病院ですごしますか。家で過ごしますか。ってなって家で過ごす事になったでしょ。

私お母さんの事、大好きでさ。毎日毎日痩せていって弱っていくお母さんを見るのはすごくつらくてさ、でも奇跡は起こるって思いながら過ごしてたわけ。でもそう思いながらも、ある時”もうお母さんはどうせ死んじゃうんだ。毎日毎日こんなにつらくてわがままな事言うなら早く死んじゃえばいいのに!”ってお母さんの汚物をお風呂で片付けながら泣きながら一人で叫んだ事あってさ。

その時訪問介護で来てくれてた看護婦さんに、私がそんな悪魔みたいな事言ってしまった。って言ったら「それが当然なのよ。人間なんだから。あなたは本当によくやってる。どんなにできた人やそれを仕事としている私達やドクターでも自分にとって大切な人であればあるほど、そう思ってしまうものなのよ。だからそんな自分を責めちゃだめなのよ。」って言ってくれてね。でもこの葛藤は最期まで続いたんだよ。

身内でもそう思ってしまうんだから、そのお友達にも別の角度のつらい気持ちや葛藤があるんだと思う。

でも、今回旅行をキャンセルしてしまった自分を責めないで。
行かなくてよかったんだよ。第一さ、先生に言ったら止められるってわかっていたのに言わずに行こうとした事がまず×ですぞ!

私の担当医がこの間の診察の時、「とにかく色々考え過ぎないこと。先生の医学的知識や、家族、自分の考えをふまえて自分の生き方や人生を考えて治療法は決めていくんだよ。」って言ってた。

この言葉は深いでしょ☆
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彼女は、一番遊びたい盛りの二十代のはじめにお母さんが癌になり、家で過ごしたいと言うお母さんの気持ちを尊重し、会社を休職してお母さんを看取った人だ。そして、自らも今、病気かもしれない環境にいる。現在の検査では白か黒かはっきりしないグレーゾーンにあり、定期的に検査を受けているのである。

病人だけでなく、その周りの人間もいろいろな気持ちがあり、葛藤して苦しんでいるということを、今回、皆さんからいただいたコメントや、友人からもらったこのメールで痛いほどわかった。

そして、もし自分の周りの大切な人が病気になったら、できることを精一杯し、彼女のように、思い切り別のところで気持ちを吐き出そうと思う。

なぜなら、やはり病人に思いのたけをぶつけるのは、自身の経験から、酷なことだと思うからだ。もし伝えたいのであれば、最も適切でソフトな言い回しができるようにしたい。

これからも私は、甘えたい時は甘えようと思う。
だがその裏で、相手の気持ちも考慮できる人でありたい。
ゆっくり自分のペースでそれらもできるようになったらいいと思う。

*皆様、本当にありがとうございました。
 私、思い切って書いてよかったです。
 自分の目線でしか考えられなかった私に、たくさんの考えを教えていただき、
 本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 
といいながらもさらに人気blogランキングの応援クリックをお願いする私。かなり図々しいじゃん、ね〜。




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この記事へのコメント
素敵なお友達がいるじゃないですか〜。
ちょっぴり嫉妬してしまいます。
僕が言いたかったのはまさにそれ!
つまり、信頼できる友達に相談すること。

お友達の文を読んで、シンミリしてしまいました。
そう!それだよ〜って感じです。
ちゃんとお友達が道を示してくれていますね。
説得力のある文にナルホド〜と思いました。
Posted by かず at 2005年11月21日 16:19
ユッキーは「自分が悪い」「自分のせいだ」って思い込むとこあるもんね。
自分を責めると、どんどんマイナスになっちゃうよ。
そんな時はお友達の「今更言うまでもないと…略、それが人間だから。」と
看護婦さんの言葉「それが当然なのよ。…略」を思い出すといいのかもね。
この辺の言葉は、暗唱できるように覚えたいです。
コピーさせてもらって、個人的に保存してもいいですか?
僕にとってもかなり勉強になりました。

ユッキーは(あ、呼び方一緒だ…)あんな素敵なメールを送ってくれる人をずっと大切にしてね。
100人に1人、いるかいないかだよ。
自分もそんな素敵なヤローになれるよう努力したいです。
心温まるお話をありがとう。(長くてすいませんぽち)
Posted by かず at 2005年11月21日 16:19
かずさんへ
そうです。すごい友達がいるんです。
普段はそんなこと全然表に出さないんだけど・・。
ここぞという時は、とっても頼りになる存在です。
もちろんこれからもずっと大切にしていきたいです。

今回の文章は、私のものではなく彼女のものです。
ぽちがいっぱい集まるといいな☆
Posted by yukiko at 2005年11月21日 20:42
こんばんわ!
昨日とは違う私みたい〜
今日は、運動会で我がグループは優勝しました。
グループリーダーとしては、鼻が高い。
頗るご機嫌にさせてもらいました。
実行委員の若い職員に、ココア大判振る舞いしました。
皆美味しい〜って。

その時々の思い気持ちは、貴方のように嘘偽り無く吐き出したほうが良さそう〜
ネットは、そういう意味では優れもの。
顔の見えない相手がきちんと受け止めてくれるのだもの。

明日は、違うグループのお手伝いに行きます。
長距離散歩ー利用者さんが行き先選ぶのだけど、足には全く自信の無い私。
手を引いてもらおうかな?
Posted by ふぁんふぁん at 2005年11月21日 21:46
yukikoさんには素敵なお友達がたくさんいますねv
友人は財産と言われてますから、yukikoさんはリッチな女性v(^^)

自分が病気になった時、やはり親の立場である私は家族に迷惑かけて罪悪感ばかり感じていました。
実際、娘からどうして他所のお母さんのようにできないのかと涙ながらに責められた事もありましたし・・。
でもその反面、こんなに苦しんでいるんだから家族なのに協力してよ!とも思ってしまいジレンマでした。
そして遠い実家の母にも、寝込んだ時は来て欲しいなんて我侭を言っています。
本当は親の面倒をみるべきなのに。
実は今私が卵巣嚢腫(5センチの腫瘍!)の疑いありで検査待ちで悩んでいます。
家の事、看病してもらう事など家族への負担が心配です。
難しい問題ですがお友達の「大切な人だからつらい」の言葉にじんわりきました・・。ポチ☆
Posted by かつみ at 2005年11月21日 21:58
ふぁんふぁんさんへ
うわ、優勝おめでとうございます!
文章が踊ってる☆楽しい一日で良かったです。
明日もこの調子なら、自力で歩けるはず☆

自分の気持ちを聞き入れてくれる場所があるって本当に幸せですね。。
ただ、自分本位の文章にだけはならないように注意しないと!!
Posted by yukiko at 2005年11月21日 22:00
かつみさんへ
えへへ、そうなんです。
たくさんではないけれど、大人になってからできたとっても貴重なお友達がいます。私はあまり友達づきあいが得意な方ではないのだけれど、そういう部分も含めてすべて受け入れた上で、私と付き合いを続けてくれることが何より嬉しいです。だから、いつも変な気を遣ったりせず、言いたい事が言える。私はそれができない相手だとなかなか続かないんです・・。

私も今親に看病してもらっていますが、近所のおばさん達に「そうやって甘えてあげるのも親孝行のうち。ボケさせないように甘えちゃいなさい」って言われて甘えきっています。娘っちも今は辛いことがあるかもしれないけど、きっと私の友人のように素敵な女性になるはず☆
かつみさん、あまり考え込まないように。。(これも友人のメールに有り)
友人へのポチ、しかと受け取りました☆
Posted by yukiko at 2005年11月21日 22:11
ネットの中にも 身近にもyukiko姫のこと思ってくれている人はいっぱいで、幸せだね。

私達は、なんかへんな自信があるから 大丈夫(笑)
Posted by はなもぐ at 2005年11月22日 06:31
はなもぐさんへ
ほんと幸せね。。
そうだった。自分で根拠のない自信があるって書いたんだっけ。
忘れちゃダメだ。ありがとう☆
Posted by yukiko at 2005年11月22日 10:31