2005年10月30日

誤解

12日間の点滴治療がやっと終わった。
10日目を過ぎた頃からちょっとずつ「あれ?なんだか元気だぞ」という気持ちになってきて、家に帰ってからのお昼寝の時間も、だんだん短くなっていった。先生は、「10日過ぎくらいから良くなってきたのを実感できますよ」と言っていたが、どんぴしゃで、ますますあのブサイクちゃんへの信頼度が増した。

ただ、先生は「副作用は殆ど出ない」と言っていたが、私はどんな薬を使っても必ず副作用が出てしまうらしい。途中、吐き気と動悸に苦しんだ時は、“あのブサイク、嘘つきやがって”と思ったものだが、副作用も慣れてきて、今は、サッと立ち上がると、目の前が真っ白になるくらいで、じーっと固まっていればすぐに治まる。これくらいなら全然OKだ。

最終日だった今日は、病院の帰りに母と中華料理屋で打ち上げをやった。
母は、2〜3日前から体調を崩し、私はハラハラしていたが、なんとか持ちこたえてくれた。昼間から中ジョッキの生ビールを飲んでいたから、もう大丈夫だろう。
海老チャーハンと海老あんかけそばを一つずつ取り、半分ずつ食べた。
私がご馳走すると言ったので、母が気を遣ったのか、とてもつつましい打ち上げになった。最後に「これで元気になりますように」と言われた時は、“元気にならなくちゃ”と強く思った。

ところで、後半戦、やはりAさんとBさんがほぼ半分ずつ担当してくれた。

一番最初の点滴治療に入る前に診察があった。その時先生に、「明日からは何時にくればいいですか?」と聞いた所、「午前中の診察時間中であればいつでもかまいませんよ」と言われた。母にとって朝は一番忙しい時間だ。母と話し合った結果、9時に家を出る位なら問題ないというので、9時に家を出て、10時に病院に着くぐらいにしようと決めた。

点滴時間は、大体2時間なのだが、診察が入ったり点滴を落とす間隔が長かったりすると、2時間半から3時間かかってしまうこともあり、12時を回ってしまったことが数回あった。午前中の診察時間は一応12時までだ。だが、本来は12時ちょっと前に来て、点滴を受けてもいいはずである。

ところが、Aさんに相変わらずの朗らかな笑顔で、「もう少し早く家を出ることはできないかしら?」と聞かれた。「あ、はい。30分くらいなら大丈夫だと思います。後は渋滞があると・・・。」と答えると、「もうちょっと早く来てくれると助かるわ」と言われたのだ。

それ以来、7時半に起きて、遅くとも8時半までに家を出なければならなくなった。母に申し訳ないと思いつつ、私はいつも母を急かして病院へ連れて行ってもらっていた。

だが、病院側も混んでる時があり、私が早く行っても12時を回ってしまうことがある。私はあの日、どうしてAさんが早く来るよう言ったのか疑問を持ったので、全然関係ない看護士さんに、ちょっと聞いてみた。すると、午前中に勤務の看護士さんは、12時に休憩が入り、交代するという。私が12時を回って点滴をしていると、Aさんは休憩に入れないわけだ・・。

Bさんは、相変わらず針を刺すのは苦手なようで、言い訳を繰り返していたが、一度も私に早く来るように言ったこともなければ、点滴が終わった後も、「ゆっくり休んでから起きてください」とガラガラ声で言ってくれた。

最終日の今日、Bさんが点滴の針を抜きに来てくれ、「今日でおしまいですね。お疲れ様でした」と言ってくれたので、「ありがとうございました。お世話になりました」と言って、病室を出た。

この病院、玄関を出てすぐの所に、ミニ動物園と池がある。
私は、いつも真っ白いオウムを母とからかいに行く。オハヨウとかコニチハとか気まぐれに言ってくれるのだ。何も言わない時は、母はオウムに向かって「バーカ」と繰り返し教えていた・・。

話がそれたが、私が会計を済ませて玄関を出ようとしたら、Bさんがとても穏やかな顔で、オウムや鹿、クジャクをゆっくり見ながら池のほとりへ行き、大きく深呼吸しているのが見えた。私を見送ってからの休憩入りだったのだ。今日、私が病室を出たのは、12時45分だった。もちろんBさんは何も言わなかった。

目に見える言葉や態度で、すぐに私はその人を判断してしまうところがある。
もちろん当たっていることもあるが、角度を変えてみると、目に見えなかったものが見えてくる。私はもしかしたら大きな誤解をしていたのかもしれない。。。

<皆様へ>
今日また新記録樹立!2470点。目標をクリアできました!
本当にありがとうございます☆目標は大きく、今度は3000点目指して頑張ります!

ちょっとそれは目標高すぎるんじゃないの?とお思いの方もそうでない方も人気blogランキングクリックお願いします☆


この記事へのコメント
Yukikoさん、こんにちは。いつも応援しています!

Bさんが実はいい人だった、ってとてもいいお話ですね。でもAさんも悪い人じゃないですよね。「もう少し早く家を出る事はできないかしら?」と聞いたのだってひょっとしたら時間通りに休憩に入れない後輩を思いやっての言葉かもしれない。先輩看護婦として、きっと時には嫌な役回りをしなくてはならない事もあるでしょうし。

病院通いもお疲れ様でした。お母様共々大変な思いをされたと思います。でも以前yukikoさん、担当されているお医者様がお休み返上で出ていらっしゃった時、その先生に感謝すると共に信頼度も増していたと思います。yukikoさんが30分早く病院に行っていた事、看護婦さん達、きっとありがたく思っていたと思います。

あとブサイク・・・ですか。それはちょっと悲しい響きです。(笑)
Posted by Y at 2005年10月30日 04:58
通院治療お疲れ様でした☆ミ
Bさんに対する印象も誤解だったようでよかったです。
Posted by love at 2005年10月30日 11:56
Yさんへ、
こんにちは、コメントありがとうございます☆
なるほど。もっと角度を変えるともっと違う風に見えてくる。。
先生には本当に感謝しています。ブサイクなんて言っちゃいけません!
でもね、私、ブサイクなところもすべて含めてあの先生好きなんです。
笑うと本当にどこに目があるのかわからなくなっちゃうあの笑顔。
あれはイケメンには出せない癒しです。他のあだ名考えよう☆


loveさんへ
ありがとうございます!
次は一週間後に診察です。その時先生に「おかげさまで本当に良くなりました」って言いたいな。
AさんもBさんもとても忙しそうにいつもしていて、点滴部屋の静かな雰囲気のところに来ると、ほっとしていろいろ言葉が出るのかもしれないなって今ふっと思いました。
Posted by yukiko at 2005年10月30日 12:36
ホントにホントにお疲れさまでした(>_<)
これからは徐々に良くなっていくよーにお祈りしてますよ♪
なんか母娘で頑張ってやりとげたって感じですね。
またプラーっと寄らせて戴きます
Posted by ムーちゃん at 2005年10月30日 15:37
ムーちゃんへ
お祈りありがとう☆
2週間終わってから、母は急に怖くなりました。
“あたしは一生懸命送り迎えしたんだからオーラ”を出しまくってます。。
しばらくは、頭が上がらなそう。
また来て癒し系コメント残していってね☆
Posted by yukiko at 2005年10月30日 19:01
癒し系コメントでは作家は成長しません。
ブサイクちゃんは頂けませんね〜。ヒネリが無さすぎます。
言われた本人もおもわず笑ってしまうような表現でお願いします。
じゃないと読者は納得しませんよ!

自分でツっこんでおきます。
「何モンやお前は」
Posted by ウィンザークロス at 2005年10月30日 19:23
治療の効果があったようでよかったです!
私も治らないかもしれない・・なんて諦めず、色々と模索してみる気になれました。
ありがとうございます。

苦手だな〜と思っていた人の良い所に気づいた時って、何とも言えない安心した気持ちになれますね。

ブサイクちゃんがハンサムに見えてきませんか?(^^)
Posted by かつみ at 2005年10月30日 20:56
ウィンザークロスさんへ
ひぇ〜〜、ダメ出しだぁ!!
確かにブサイクちゃんでは直接過ぎる。。

病院の待合室に先生達の写真が飾ってあるんです。
行く度に母がそれを見て「相変わらずブサイクな顔してるわね」って
言うものだから、それ意外思い浮かばない・・。
って母のせいにしてもまたダメ出し喰らいそうだし。
う〜ん、お坊ちゃまでブサイクだから、“ブサぼん”ではどう?ダメ??
ダメっぽい。。


かつみさんへ
先生は、「絶対治る病気です」と言い切ってます。
私も、病気を抱えつつも、日常生活を送れれば、このままでもいいやと何度も思いました。でも、何でもなかった頃のようになれたら、日常生活がもっと豊かになるはず、と思い直し模索しました。かつみさんに諦めは似合いません!

ブサイクちゃん、会えば会うほどあの顔が好きになっていきます。
男はやっぱり顔じゃない、お金だ。いや、性格だと改めて思いました☆
Posted by yukiko at 2005年10月30日 21:41
やっと終わりましたね。ほっとしました。
Bさんには意外な一面があったんだ〜。
最後のほうで、それが分かったのは収穫でしょう。
もう通常の生活に戻れるの?
今のうちにやりたいこと考えておいたほうがいいかも。
もうすぐベストテン!3000点は、軽くクリアでしょう!ぽちっとね。
Posted by かず at 2005年10月30日 23:08
かずさんへ
ありがとうございます、ほんとほっとしました。
日常生活は問題なく送っていいそうですが、なるべく活動は午後から、激しいスポーツは当分禁止と言われました。でも、元気になるとそんなこと忘れちゃうからなぁ。
今一番やりたいのは、ゴルフの練習。
せっかくはじめてコツがつかめたところだったのに、練習できなくなっちゃって。。
ぽちっありがとう☆
Posted by yukiko at 2005年10月31日 08:14
2週間の点滴治療、お疲れ様でした。
これから、yukiko姫が前より 元気になってきたって言えることだと願っています。

人っていうのは、わからないものですよね。良くも・・悪くも・・・
自分と親しい人でも 実はこんな一面があった!とか、ホントは、こんな人だったとか、、、
人は、その場その場で 同じ人だけど、なんとなく違うキャラになっていたりするような。。。

でも、自分や親しい人に危害を加えるような人じゃない限り、いい角度から人のこと 見たほうがいいですよね?
Posted by はなもぐ at 2005年10月31日 11:10
はなもぐさんへ
ありがとうございます。随分楽になってきました☆
健康体って本当にいいものだとつくづく感じています。

さすが、はなもぐさん
>自分や親しい人に危害を加えるような人じゃない限り、いい角度から人のこと 見たほうがいいですよね
そうです、そうですよね。
私はどちらかというと点数がからくなりがち。
なるべくいい角度で人の事をみていこうと気付かされました☆
Posted by yukiko at 2005年10月31日 12:56
ププッと携帯見ながら笑ってしまいました。
やり終えた達成感が伝わってきましたよ〜。
ゴルフってやったことないんだけど登山よりハードなの?
やるなって言われるとやりたくなるよね。ウズウズしてない?
Posted by かず at 2005年10月31日 14:10
かずさんへ
ゴルフは、先生はOKだと言ってたので、ハードなスポーツではないってことなのかな。登山の方がよっぽどハードだと私は思います。
息切れするようなスポーツはダメって言ってたし・・登山では、私、息切れしてばっかりだった。。
明日あたり調子良かったらいっしゃおっかな、なんて・・。
ウズウズと大丈夫かなの半分半分くらいです。
Posted by yukiko at 2005年10月31日 15:32

「ブサぼん」!?ダメです。直接表現はやめたほうがいいです。
読んだ人がなんとなく頭の中で想像出来るような表現でお願いします。
「坊ちゃん」で夏目漱石が同僚の先生を「うらなりの唐茄子」と言ったように、
聞けばあぁ、顔色が悪い人なんだ。と想像出来るような・・・
説教くさくなってすいません。でもダメ出しは愛の鞭だと思って下さい。
Posted by ウィンザークロス at 2005年10月31日 15:59
ウィンザークロスさんへ
ひゃ〜、やっぱりダメ出しだぁ。
っていうか夏目漱石の「うらなりの唐辛子」
私、意味わかんないよぅ。。
愛の鞭、確かに頂戴しました。
今しばらく私にお時間いただけませんぬでしょうか・・?
Posted by yukiko at 2005年10月31日 17:31
「うらなりのとうなす」です。
意味は確か「熟す前の青いトマト」だったはず。
ちょっと愛の鞭を連発しすぎましたね。m(__)mペコ
でも最新の日記には飴コメントをしました。
足りなかったら言って下さい。
虫歯になるような甘いヤツをブチカマシます。(多分)
Posted by ウィンザークロス at 2005年10月31日 17:45
ウィンザークロスさんへ
ぎゃはは、私、すっごい恥ずかしい・・。
唐って漢字見たら、唐辛子だと思い込んじゃった。
っと言っても「うらなりのとうなす」でも意味わかんなかった。。
飴コメントありがとうございました!
でも、虫歯になるのも困っちゃうから、思ったことびしばし書いてください!(でもお手柔らかに☆)
Posted by yukiko at 2005年10月31日 22:10
前のエッセイ見たけど修行の場所どこだろう?
雪割橋って東北のかな〜?
皇太子さまが良く登られる?

先生が言ったのは打ちっぱなしならOKってことでしょ?
18ホール回るのはさすがにきついと思います。笑。
Posted by かず at 2005年11月01日 00:04
かずさんへ
雪割橋はそう、東北です。
修行の場所は、自分でも忘れちゃった。。
子供も元気に登ってました。

コースデビューは確かにまだまだ先ですね、きっと・・。
Posted by yukiko at 2005年11月01日 08:35
あのまんま山を嫌いになっちゃったら困るなあ。
いつかユッキーでも登れる山をご案内しま〜す。ウソ。
Posted by かず at 2005年11月01日 17:27
かずさんへ
山嫌いじゃないですよ。
元気な頃は、毎週末家の前のサイクリング道路を6キロウォーキングしたりしてたほどで、きちんとした格好で歩くのなら、気持ちよくて好きです。
姉の住むスイスのマッターホルンは登山電車で登っただけだけど、ものすごく感動しました☆
Posted by yukiko at 2005年11月01日 23:53