2005年09月12日

困った大人達

私は物心ついた時から同じ土地に住んでいる。だから選挙で行った小学校は、私が卒業した母校だ。普段しょっちゅう車で通り過ぎたりするものの、中に入るとやはり感慨ひとしおだった。“あれでよく遊んだな”とか“この体育館で初めてバスケットやったっけ”など、いろいろな記憶が蘇った。そして、どれもこれもが小さく見えた。

私の家は、友達の誰よりも小学校から遠かった。
だから、いつも私は一人で家を出て、友達の家に寄り、だんだん人数が増えて学校へ到着する。帰りはその逆で、はじめはたくさんの友達がいるが、最後は一人で家まで帰る。6年間ずっとそうだったのだ。迎えに来てくれる友達も見送ってくれる友達もいなかった。当時はそんなこと考えもしなかったのに、なんで今頃そんなこと考えたのだろう。

一人で歩いている間、いろいろなことがあったっけ。
ずっと本を読みながら歩いていた為、止まっていたトラックの角に頭をぶつけ、痛い思いをした。それでも本を読みながら家に着くと、母は大きな声をあげた。なぜなら私の顔は血だらけだったからだ。
またある日は、どうしても我慢できずお漏らしをしてしまった。最後の友達と別れてから、家までの距離は長い。誰にも相談できず、我慢もできず、漏らしてしまったのだ。私はもうどうしていいかわからずただ泣くしかなかった。そんな私を迎えた母は、「バカだねぇ」と一言だけいって、私を綺麗にしてくれた。

小学校の6年間というのは、ものすごく貴重な時間だったのだと今更ながら思う。
これまで出来なかった、知らなかったことを一番多く学ぶのがこの6年間だろう。たくさんの行事があり、実は長いけれどあっという間に過ぎてしまった6年。この学校がこの先もずっとここにあって欲しい、そう強く思った。

そんなことを考えていると、有権者が車で校内へ入ってきた。
たった数分の間だったが、数台の車が校内へ普通に入ってくる。そして校庭に当たり前のように車をとめる。どしゃ降りが去り、雨足が弱くなったものの、体育館までの道のりで靴は汚れる。それで体育館ぎりぎりまで車で乗り込んで来たのだろう。だが、毎日この学校へ通っていた私には、校庭に車をとめることなど考えられないことだ。彼らは決して若くはない有権者だった。夫婦で普通の顔をして車に乗っている。
子供達が次の日、わだちででこぼこになったこの校庭で体育の授業をするのだ。危険はないだろうか?そんなことも考えられない自分勝手な大人達。

いくら政治家だってそんな大人の意識改革なんてできないじゃん。
日本が変わるのって相当難しいんじゃないかと、虚しさいっぱいで母校を後にしたのだった。

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Posted by late_bloomer at 13:35│Comments(13)番外編 
この記事へのコメント
選挙の会場って健康な人なら、だいたい家から歩いていける箇所にありますよね。(車でしか会場に行かれないかた、いらっしゃたらごめんなさい・・・。)そもそも、何で車で来るのかが分かりません。車持っていないからそう思うのかしら?
どうしても車で来たいなら、駐車場に止めるとか、マナーは守るべきですよね。
Posted by happy_horse at 2005年09月12日 15:56
happy_horseさんへ
おそらく直前まで雨がひどかったから車で来た人が多かったんだと思います。
それにしても校庭に堂々と入ってきて止める人にはびっくり。しかも、きちんとした50代位の品のいいご夫婦だったりするんです。もう車の中じーっと見ちゃった。
Posted by yukiko at 2005年09月12日 18:50
それ分る。この間東京で大きな地震があって電車が全部何時間も止まった時、私も帰れなかったんですけど友達とちゃんと点検してもらってからがいいねって言ってたんです。
でもいるんですよね、こういう時駅員さんに文句言う人が。決まってジィババな気がします。全ては私たちの安全の為なのに。その時の自分の目的だけでなくて、そこに付随する多くの問題に付いて思慮できるようになりたいですね。
Posted by あつこ at 2005年09月12日 19:17
あつこちゃんへ
<その時の自分の目的だけでなくて、そこに付随する多くの問題に付いて思慮できるようになりたいですね。>
ほんとにその通りです。「今そんなこと言ったって不快な思いするだけなのに」とか「どうしてそんなことするんだろう」っていう客観的な目を常に持っていたいです。
Posted by yukiko at 2005年09月12日 20:58
全く同感ですねぇ。
マナーというか、自分本位というか、そういう意識の方は周りからお教えしなくては
気が付かないのですよ。実はこういう事って、マナーが悪いとかって気が付いた人が
どこかで勇気を持って言う事も必要なんです。校庭に車が入って来た事に対して、不快
に思われた方は他にもいたはずですよね?しかし、そう思っただけで誰も行動しなかった
んじゃないですか?「思いやり」とは、「思う」「やる」で初めて完結するものです。
「思う」だけでは、目の前の状況は変わりませんものね。ちょっと勇気がいる事ですが
誰かが行動しなくては、変わっていかないんですよねーその勇気をみんなで持ちたいもの
です。その時、初めて日本が変わるんだと思います。
Posted by LOVE GUIDE at 2005年09月13日 10:01
LOVE GUIDEさんへ
そうですね・・。
私も気が付いた時、言うようにしてきました。
でも、残念ながら聞き入れていただけないことの方が多かったです。
なぜなら、最初から悪いという意識がその人たちにはないからです。
「あなたはここの責任者なの?」と言われたり、いわゆる逆ギレ多いですよ。嫌な思いをたくさんしてきました。 LOVE GUIDEさんが勇気を持った時はどうでしたか?
Posted by yukiko at 2005年09月13日 12:07
確かにその意識がない人へ警告をするという場合、難しいですよね。
ただね、話のもってき方によっては相手も人間ですから(笑)逆ギレ
されない事も結構ありますよ。人間って怒られるのは、みんな嫌い
ですから、そういう話のもってき方をすると必ず反発されます。
私も気付いた時には、必ず言うように心がけています。
黙ってられない性格なんです。(笑)逆ギレされる方にでも、こちら
が大きな気持ちを持ってゆったりと接すると、「まぁ、そう言われたら
そうだけど・・・」みたいに通じますよ。勇気とエネルギーは使いま
すが。(笑)
Posted by LOVE GUIDE at 2005年09月13日 14:32
LOVE GUIDEさんへ
なんだかそこまでがんばる必要あるのかなって私は思っちゃいました。
明らかに自分より年配の人だから、丁寧な口調で言ったとしても怒られちゃうんですもん。年下から言われるからでしょうかね。
若い子に言うほうが全然気持ちいいです。皆素直だもん。。
Posted by yukiko at 2005年09月13日 19:06
はじめまして!ずーっとROMっておりました。

私も母校(小学校)が投票所だった一人です。
私の頃はかなり老朽化した体育館でしたが、数年ぶりに行った体育館はすっかり新しく建て替えられていて、おまけに入り口に「アリーナ」と書いてありました。
自分は一体どこに来たのだ!?と一瞬迷いました(笑)思い出のある場所が変わってしまうのはさみしいですね。

Posted by せいこ at 2005年09月14日 04:20
私のところでは、校庭に停めてもいいということになっていました。参観日とかも、確か保護者は校庭に車を停めていました。田舎なので、車はしょうがないかな〜と思うこともありますけど…。
でも、

>子供達が次の日、わだちででこぼこになったこの校庭で体育の授業をするのだ。

これは、実際に自分も小学生のときにでこぼこになった校庭を見て、悲しい気持ちになってました。

これに限らずですが、LOVE GUIDEさんがおっしゃっているように、

>そういう意識の方は周りからお教えしなくては気が付かないのですよ。

って、あると思います。私も実際に注意されて「そうかぁ〜!今まで迷惑かけてきた人たち、すみません!」と何度思ったことか…。恥ずかしいんですよね、アレ。

変わることができる大人になりたいものです…。
Posted by せいこ at 2005年09月14日 04:21
せいこさんへ
初めまして!コメントありがとうございます。
入り口の「アリーナ」はびっくりですねぇ。
私の小学校はところどころリフォームの後が見えたくらいで、懐かしさ満点でした☆

きちんと他者の意見を聞き入れる耳をいつまでも持っていたいですね。
また、是非遊びに来てください!
Posted by yukiko at 2005年09月14日 09:09
そうなんですよ!!!年上の人って年下に何か言われるの超嫌がりますよね。だから終には何も言いたくなくなる。で、何も言わないと『自分の意見がない』なんて言われる。聞く気持ちがないのに、意見がないなんて言われたくない。聞いてくれそうな人には言うもの。
Posted by あつこ at 2005年09月14日 19:47
あつこちゃんへ
そうなのよ。諦めとは違って「この人には言ってもだめだな」って言うのがわかる。もう次元が違うのが、感覚的にわかっちゃうのよね。
でも、そういう人に限ってものすごく立派な意見言っちゃったりするもんだから・・・。
Posted by yukiko at 2005年09月14日 20:32