2005年06月22日

感動よ、再び

私が生まれて初めて映画館で観た映画は、「キングコング」
年末に大掃除のことで両親が大喧嘩をし、母から外出してくれと懇願され追い出された父が、私と弟を連れて行ってくれたのが映画館だった。

父はもともと映画好きで、今でも週に一回は映画館へ足を運ぶ。サラリーマン時代には、映画館へ行って映画を観ることなどなかっただろう。リタイアした今、シニア料金で気ままに映画鑑賞を楽しんでいるようだ。

その父が、小学生の私と弟に「キングコング」を観せたのは、私達の要望を聞いたのではなく、父自身が観たくて選んだのだろうと思う。なぜなら字幕映画だったからだ。幼い上、お世辞にもお勉強ができるとは言えない弟が、漢字を読み映画の内容を理解できるとは、私には思えなかった。父はそんなことにはおかまいなし。だから、私は弟が心配で、映画の途中何度も弟の顔を観たが、彼は真剣に食い入るようにスクリーンを見つめていた。

「キング・コング」は心を打ついい映画だった。
私はとても悲しくて切ない気持ちになったのを今でもよく覚えている。映画館を出た後も、しばらくその気持ちから抜け出せなかった。弟と感動を分かち合おうと、「おもしろかった?」と聞いてみると、弟は「よくわかんなかった」と言った。やっぱり・・。画面を追うのが精一杯だったに違いない。せっかく父がいい映画を私達に見せてくれたのに、それを小さいが為に理解できなかった弟がかわいそうに思えた。が、弟は、30歳を越えた今でも映画をレンタルする時は、吹き替え版を借りている・・。

その後、映画に触れる機会がないままに月日は流れ、高校を卒業したくらいだっただろうか、「ハチ公物語」を、男女含めた6人くらいで観に行くことになった。私は、桜の花びらが舞う中、まだ元気だった頃のハチが走る姿が出てくるシーンにやられてしまい、涙がこぼれそうになるのを必死で我慢した。なんせ、皆犬好きで、「泣いたら負け」という決まりで観にいったものだからそりゃもう必死でこらえた。でも、周りからも鼻水をすする音が聞こえてきたし、暗い映画館から出た時の皆の目は真っ赤だった。この映画にもグっと引き込まれてしまった。皆心の中で“ハチ、先生はもういないんだよ”と叫んでいたに違いない。

その後も犬を題材にした映画をいくつかみたが、ハチを越える映画にはまだ出会っていない。もう犬に関する映画はみたくないと思うほどがっかりすることが多いのだ。

最近は映画館の数もぐっと増え、指定席制度が当たり前のようになり、昔のようなうらびれた感じの映画館はすっかりなくなった。サービスデイもいくつかあって、平日の昼間でも人はたくさん入っている。映画の公開数も増えたであろう。そのおかげで、私も映画館へ足を運ぶ回数はぐっと増えたのだが、「キングコング」や「ハチ公物語」を観た時のような感動を味わうことはここのところ殆どない。

宣伝が巧妙なのか、前評判に惑わされてしまっているのかよくわからないが、大抵観終わったらすぐ内容を忘れてしまう。私の記憶力の悪さもあるだろう。もしかしたら私自身が、汚れてしまって純粋な心を失い、感性が鈍ってしまったのかもしれない。
しかし、幾つになっても心を打つ映画は覚えているものだ。

あの感動をもう一度味わいたくて、今もせっせと安い日を狙って映画館へ足を運んでいる。

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この記事へのコメント
コメントありがとう!
やっぱり世間のダンナ衆は嫁さんとは正反対の性格の女性を求めるもので・・(^^)
映画の事、自分もまったくそう思う!
自分も昔から映画好きだけど、最近の映画はいくら前評判がイイ映画を観ても、な〜んか残ってない。あまりにもお金をかけすぎってのもあるかも!
今でも残ってるのは・・「アラビアのロレンス」とか「ダンス・ウィズ・ウルブス」とかは感動したのを憶えてます。
Posted by toshi at 2005年06月22日 23:39
toshiさんへ
コメントbackありがとうございます!
なるほど、そうですか。。嫁側はいろんな面を見せてダンナ衆を惹きつけるしかないのか、なかなかイバラの道ですね〜。
「アラビアのロレンス」観てないので、早速観ようっと!
Posted by yukiko at 2005年06月23日 00:17
私も映画大好き〜♪
だけどなかなか観にいけず、年に3〜4本が限界。もっと観たいのにな〜。
昨年衝撃的だったのが「パッション」でした。
いやもう、観てよかったんだか観なきゃよかったんだか・・・。
きっと一生忘れないだろうなあ。

それと昨年末に「ハウルの動く城」観ました。宮崎アニメはほとんど観てるので、これは外せないと思い、混雑してる中観てきました。
賛否両論だけど、私は面白かったな。いいチャレンジしてると思ったけど、難点は女の子の声はやはり若い子と老女とで分けるべきだったんじゃないかな・・・。

映画の話も語ると尽きないですね。
ハチ公物語は私も大泣きしました・・・・(ノ_・、)
Posted by ナナっち(⌒▽⌒) at 2005年06月23日 14:43
ナナっちへ
どんな意味でも一生忘れない映画って価値あるんでしょうね。。
宮崎アニメ、私は2作くらいしか観てないんだけど、私にはちょっと難しいんです。なんでだろ?奥が深すぎるんだろうか?
映画って観る人によって感じ方が違うのもいいですよね。終わった後に感想を話したりすると、それぞれ感動シーンが違ったりして・・。

Posted by yukiko at 2005年06月23日 14:55
失礼します。 
私も悲しいことがあって映画に逃げてます。
「お父さんのバックドロップ」っていう作品は号泣ですよ!
やっぱり家族愛と子供の涙はずるい!  
Posted by 早苗 at 2005年06月23日 22:54
早苗さん、初めまして。
コメントありがとうございます。
号泣作品いいですね〜。早速チェックしてみます。
悲しい時とか、嫌なことがあった時、泣ける映画観て涙流すとすっきりするってことありますよね。。
Posted by yukiko at 2005年06月23日 23:47
オジサンが学生の頃、ベルボトムのジーパンはいて、オールナイトを見に行きました。少し勇気が必要でした。やはり当時は少し違う世界でしたが、ちょっと粋がった友人(少林寺拳法の主将)と高倉健さんの任侠ものを見ました。夜も更け前の椅子に足をかけ、いよいよ健さんが殴り込みに入り、敵の若い衆が襲いかかってきました。そして物陰からピストルで健さんを狙っている奴がいます。その時、「健さん!後ろ、後ろだ!」と場内から声がしました。それが聞こえたのか?健さん振り返り、刀を投げてやっつけてしまいました。そしてその時場内から、大きな拍手。なんだか年末で場末の映画館ですが、暖かなものを感じましたよ。またyukikoさんの映画のお話し聞かせてください。
Posted by 棟梁 at 2005年08月02日 14:05
棟梁パパへ
すごい!そんなぴったりの場面、感動ですね。
日本人は映画館で大人しいなと思います。私は半年ほどカリフォルニアのサンディエゴというところにいたことがあるのですが、アメリカ人は良く笑うし、リアクションがすごかった。
その年末の出来事は、一生忘れられないものなのでしょうね。
私、任侠モノ結構好きで、菅原文太ものは殆どみちゃった☆
Posted by yukiko at 2005年08月02日 21:28