2005年06月09日

歪んだ愛情表現

私の最大の愛情表現はおちょくりだ。
可愛いなぁと思う人がいるとついおちょくってしまう。

私が入社した時から、ずーっと私に仕事を教えてくれた先輩がいた。
彼女は私より二つ年上で、見た目は全然キャリア系ではなく、おっとりした可愛い子ちゃん風。“そのボンボリのついたカーディガンは一体どこで売ってんだ?”みたいな格好をし、“そんなブーツ履いてる奴みたことない”というブーツを愛用していた。私は、彼女には自信があって、今更外見でどうこうしようなんて思ってないんだろうと思っていた。だが、時々「ねぇ、こんなブーツ履いてる人今時いないよね?送別会で皆に見られたら笑われちゃうかな?若い子はそういうの敏感だからねぇ。」なんて、気にしてたりする。そういう時私は、「いいんじゃないんですか?もう皆そのブーツ見たって驚きませんよ。とっても似合ってますもん。」とおちょくった。

彼女は仕事に対してはいつも真剣で厳しい人だった。
最初はうるさい女だなと思って反抗したりしていたが、彼女に教わる事がどんなに私にとって幸せなことだったのか、いなくなって時間が経てば経つほど思い知らされることとなった。

彼女は常に“会社にとって利益になるか”という視点で仕事をしていたし、その上、自分にとっても利益になるような仕事のやり方を教えてくれた。「この分野はこれから発展していく。これを自分のものにしておけば、いざという時、あなたを助ける。」そう言われて仕込まれたことが、実際私が会社を辞める時まで強い武器となった。
だが、その時私にはその意味が理解できず、“まだ誰もやってないから、誰にも相談できない。どうしてこんな難しいこと私にさせるの?”と恨んだものだ。先輩と私とはそれほどレベルに差があった。

そんな大先輩を私は度々おちょくった。
「あ、これお願い。え〜と、書類どこいったかな?」と彼女が私を呼びつけて机の上をゴソゴソしていた時、私は大きい声でカウントし始めた。「3,2,1,ブブー。時間切れ〜。」私がカウントしている間彼女は焦りまくり、机の上はぐちゃぐちゃになってしまった。私が「ブブー」と言った後、“あ〜間に合わなかった”という顔をしたので、私はゲラゲラ笑った。何も本気で焦らなくてもいいのに。。彼女ははっと我に返り、顔を赤くして「ったく。はい、これ。今すぐやって!」と怒って言った。迫力な〜い。

こういう関係を作れる相手は滅多にいない。特に相手が年上の女性だったりすると、おちょくるのは難しい。でも、こういう関係を作れる相手とは何でも話せる。実際私は、仕事に限らずいろんな話を先輩にきいてもらった。あまり年上から可愛がられることのない私が先輩には安心して甘える事ができた。

私もそういう人でありたいと思ったが、所詮私はおちょくり専門。
仕事をミスした後輩の女の子がにっこり笑って「すいませ〜ん」と言えば、「今度失敗したらチュウするぞ」といい、納期に間に合わないといって男の子が来れば「犯すぞ」と言う。これではただのセクハラおやじだ。。

あれが私の愛情表現だったと気付いてくれた人はいるのだろうか?
歪んだ愛情表現はなかなか受け入れてもらえないものだ。
でも、その場に楽しい空気が流れたのは事実。
尊敬されなくても、笑ってもらえればそれでいいや。

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この記事へのコメント
いい先輩だったんですね
yukikoさんはその先輩をからかっても
しかっり相談にのってくれるんだから
ナイス人柄!って感じですね

Posted by makoto at 2005年06月11日 11:19
makotoさん、こんにちは!
仕事は厳しくて、何度か衝突したんですが、最後まで私を面倒見てくれたんですよね。。仕事の上で良い先輩や上司に恵まれることがいかに大事なことか実感しました。なんてったってこっちは選ぶ権利ないから。。
Posted by yukiko at 2005年06月11日 11:47