2005年05月26日

シミュレーター

私はかなりの頭でっかちだ。どうしたら合理的で且つ楽ができるか、と常に頭の中で考えているので、何かをする前に疲れてしまうことが多い。

例えば洗濯。先に洗濯機を回して、その間に朝食をとり、朝食が終わる頃洗濯も終わるようにする。そして、洗濯物を干す前にお茶を入れるかどうか考える。なぜなら洗濯機とお茶セットは1階にあり、洗濯物とお茶を持って2階へ上がればもう下へ降りることはない。が、お茶を先に入れてしまうと洗濯物を干している間にぬるくなってしまう。どうしたものか・・?
という感じでどうでもいいことを常にシミュレーションしているので疲れてしまうのだ。

だが、仕事においてコレはすごく役に立つ。優先順位を常に考えて行動する事務員は、会社にとって大きな利益をもたらすはずだ。

私が派遣社員として入った会社で、はじめに仕事を教えてくれたのは50代位のおじさん社員だった。右も左もわからない私に、丁寧に仕事を教えてくれたので“なんとか私でもやっていけそう”と私はとても安心できた。

ところが二日目から私はこのおじさんにイラつくようになる。同じ事を何回も繰り返し説明するからだ。その上、仕事の内容がわかってくると“今それを教える必要はないだろう”とか“質問の内容と答えがずれてる”とか“なぜそっちを先にやる必要があるのか?”の連続で、顔で笑って心で怒っての繰り返しになった。新人役も結構大変である。

数日して、おじさんが「経験になるからこれをやってみて」と言って別の人の仕事を私に振ってきた。心の中で“自分の仕事もまだ満足にできない今、どうして人の仕事をやれるだろうか?ミスでもしたらリカバリーの方が時間がかかる。担当者は知っているのだろうか”とあれこれシミュレーションした結果、私の口から出た言葉はなんと、「それは私の担当ではありません」のただ一言になってしまった。。おじさんはびっくりした顔で「そ、そうですか・・。」と言ってとりあえず仕事は本来の担当者がすることになった。説明が足りなかったせいで、新人がいきなり仕事選びをしたと思われただろう。
ま、いっか。。“自分の仕事を覚える”ということに集中した私はそのことはすぐに忘れてしまった。

ところがしばらくして、おじさんと二人でエレベーターに乗る機会があった。そこでおじさんは唐突に「ニューヨークですか?それともロス?」と私に聞いてきたのだ。「は?」と答えると「いや、きっぱり意見をおっしゃるので、帰国子女かと思って・・。」と言うではないか。心の中で“あぁ、やっぱり回りくどい人だ。まだ引きずってる上、嫌な質問の仕方をするなぁ”と思った。あの時の気持ちを今更説明するのもどうかと思い、「やっぱり出ちゃうものなのでしょうか、ふふ。」と曖昧に返事をしておいた。

それから数年、私は立派な理屈っぽい派遣社員へと成長をとげ、おじさんと同じ仕事をし、戦う日々を送ることになった。新人さんが入ってくると彼は必ずお茶をご馳走する。が、彼女が残業してても平気で先に帰る。私はご馳走はしないが、彼女がなぜ残業しなくてはいけないのか、一緒に考える。仕事の効率化が一番大事だからだ。先に帰るおじさんにそんなことは伝わらない。
おじさんの中の私は、“自分勝手ななんちゃって帰国子女”で終わってしまったことだろう。

頭の中でシミュレーションする人間は、言葉が少なく誤解されることが多い。会社の中ではそれもいいだろう。仕事が順調であれば多少誤解されても構わない。だが、日常生活はそうはいかない。誤解を生むことで大事な人を失う可能性があるからだ。それはツライ。だから、そうならないよう相手に伝わる言葉を選んできちんと話していきたいと思う。

そう思いつつ、私はまたシミュレーションの世界へワープする。。

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