今朝、新聞を取りに庭に出てみると、ふと赤い実が目に留まった。もうすっかり忘れていたのに、こんなに沢山の実がなっているなんて。。一つ摘まんで食べてみた。甘酸っぱくてとてもおいしい。朝食用にたくさん摘んだ。なんだかいいことが起こりそうな予感がした。
覚えている方も多いと思うが、大フィーバーを巻き起こしたあの“ワイルドストロベリー”である。
当時私は、なんかいい事ないかなぁと漠然と思うだけで、何かをするわけでもなく、ただ時間だけが過ぎていく毎日を過ごしていた。そんな時に突如浮き上がったワイルドストロベリー伝説。同僚にその話を聞き、暇な私は早速買いに出かけた。何軒もお店を回ったが、どこも品切れ。考えることは皆同じだ。結局、インターネットで注文することにしたが、それでも1ヶ月待ちだという。もう待つしかない。
待ちに待ったイチゴちゃんが届くと、私は自分の部屋に置き、丹精込めてお世話をした。一日でも早く、花が咲いて実をつけて欲しいと願いを込めて。。しばらくすると花が咲き、実がなり、やがて小さいながらも赤いイチゴを実らせた。一つ摘まんで食べてみたが、スカスカで全然おいしくない。なんだか私自身が否定された気分だった。“お前はまだ食べごろではない”と。。
それからしばらくの間、“いついい出会いが来るのか”とイチゴを眺めては思ったものの、結局何も起こらなかった。
その後、イチゴちゃんはヒョロヒョロと不健康に増え、部屋には収まりきらなくなったので、思い切って庭に移すことにした。それ以降、特別なことは何もせず、思い出したときにお水をやるくらいで、あとは自然の恵みに任せたままにしていた。ところがイチゴちゃんは、私の部屋にいた頃より葉の緑は濃く茎も太くとても元気になっていったのだ。
それを見て、植物に限らず何事も、力ずくで自分の思い通りにしようとしてもうまくいかない。ふっと力を抜いて自然の力に任せることができるようになった時、何事もうまく行くのではないか、と思うようになった。イチゴちゃんが私に教えてくれたのだ。
今朝、以前とは比べ物にならないくらい、大きくて赤くて甘いイチゴを食べた時、“あなたは食べごろになったわよ”と言われたような気がして嬉しくなった。今度こそ伝説が現実になる・・?
今でも株分け希望者が後を絶たないが、やはり私の嫁ぐ日が決まってから、イチゴちゃんも嫁がせようと思っている。
その日まで、イチゴちゃん、お願いだから腐ったり枯れたりしないでね。。
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