患者様
昨今は、メンタルヘルス系の病気が急増し、うつ病やパニック障害といった病名をよく耳にするようになった。そういう病気をもった人たちが訪れるのが心療内科である。内科や外科、眼科や歯科といった馴染みのある科であれば、どこの病院がいいかとか、評判を耳にすることも多いが、心療内科の評判を巷で聞くことは殆ど無い。
私も現在、3週間に一度心療内科へ通う身である。
最初に病院を選ぶ時、多くの人が今後も通院することを考えて、なるべく自宅から近い病院を選ぶだろう。体が辛ければ尚更だ。私も近場の病院に電話をかけまくり、すぐにでも受け入れてくれる病院へ行った。なんの予備知識もないままに。。
選んだクリニックでは2時間待った挙句、先生は話は聞いてくれたものの、治療方針や病名など告げられることも無く、薬を処方され、「では、一週間後」と背を向けられてしまったのだ。心療内科ってこんなものか・・・?
その一週間後、今度は薬の説明もなく量だけ増えたので「あまり薬に頼りたくない」と私が告げると、先生は突然声をあらげ「指示通りにできないのであれば、サプリメントでも何でも飲んでご自分でなおしたらどうです?!そうしますか!?」と怒鳴った。私は先生だけが頼りだったので、泣きながら「お願いします。」と言うしかなかった。
心療内科での診察は、“話す”ことだけだ。聴診器をあてるわけでもレントゲンをとるわけでもない。現状を話し、それを医者が汲み取って治療を始める。
もっとも医者との相性が物を言うのではないだろうか?
私は、それから真剣に病気と向き合い、例え距離があっても絶対いい先生に治療してもらいたいと強く思い、通える範囲を広げ、ゲロゲロしながらHPをたくさん見た。HPを見れば大体その病院の内容はわかる。私は、ここだ!と思ったところに電話をした。
その時の私は声が震えていたのだろうか、その病院からは、予約制であるにも関わらず、「来れるならすぐに来てください」と温かい声が返ってきた。私はすぐに病院へ行った。少し待つとのことで、看護士が私を別室に案内してくれた。そこで私はベッドで休みながら順番を待つことができたのだ。座っているだけでも辛かった私には、そのことがどれだけ嬉しかったことか・・・。
さらに、私が診察室へ入っていくと、先生は立ち上がって自分の名前を言い、「よろしくお願いします」と頭を下げた。フラフラしながらも感動した。まさか医者が頭を下げるなんて。。
この病院は入院施設もある専門病院で、医者だけでなく、看護士はもちろんソーシャルワーカーやケアワーカーなどがたくさんおり、常に患者の立場を考えてくれる病院だった。
かれこれ半年程通院しているが、先生はいつも私の話に耳を傾け、質問には丁寧に答えてくれる。そしてなぜその方法で治療するのか、納得するまで説明してくれるので、私は安心して薬を飲み、自分が前進していることを実感する。
病状が落ち着いた今、前の先生のことを思い出す。
もしかしたら、先生は先生なりの方法で最善を尽くそうとしてくれたのかもしれない。でも、言葉が足りなかった為にお互い嫌な思いをしてしまったのではないか?
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Posted by late_bloomer at 20:30│
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エッセイ
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医師の仕事にプライドが持てない今日この頃、こういう映画もみて
ちょっとモチベーションを高めてみよう。と思ってみた。
自殺未遂をして精神科に入院している時に、他の患者とのふれあいの中で生き甲斐を見つけ、それに向かって邁進する中年男性の話。
思いが強い分
パッチアダムス【とある青年医師の心の内】at 2005年05月26日 20:51
2回目の登場です。
お名前一緒なんですね、親近感沸きます。
たしかに、精神科は医者と患者さんの相性がかなり問われると思います。
いかに信頼できるドクターをみつけることができるか、にかかってると思います。
よいドクターにめぐり合えたようで、本当によかったですね★
ゆんさん、こんにちは!
そうですね、私はツイていたかもしれません。なかなか良い先生に出会えない方もたくさんいると思います。ほんとになんとかならないかなと思います。。同じ名前のゆんさん、何度でも遊びに来てくださいね!
お勉強ができただけで心療内科は務まりませんね。私も一時期鬱になりかけたのですが自覚がなく、病院はいかずじまいで半年くらい時間をかけて立ち直りました。何人かの友人から通院・入院をしていた経験を聞きましたが、お医者さんと合わないと悲惨だし、逆に薬に頼るのを止めようとしているうちに治ったとか聞いています。心理学者だとかカウンセラーみたいな人たちに話を聞いてもらえたら、私も友人たちももっとはやく打開できたのではないかと思うのです。アメリカではその分野が発達していると聞きますが、心労の多い現代人のためにも「気違い」とか「精神病」のような偏見を取り払って気軽に通えるようなところが欲しいところです。
catno1さん、こんにちは。
うつ病やパニック障害は、セロトニンという物質が出にくくなることが直接の原因だそうです。症状も人それぞれで、私の場合は、精神的に落ち込むことは殆ど無く、体の症状ばかりでした。そういう場合、話をきいてもらうよりまず投薬治療が必要です。患者側も自分がどういう状況か自分で判断できるようになることも重要な課題ですね。特別な病気ではなく、ただ単にセロトニンの出が悪い、ということです。日本人は特に体質的に出にくい人が多いと聞きました。決して精神的に弱いとかそういうことではありません。そういう誤解を本人も周りもしないような社会にせめてなって欲しいですね。。。
こんばんわ。
たしかに、そうですね。
世間では”心が弱いだけ”と、うつ病患者さんなどを自分に甘い人間なんだって思われる方も多いですが、
器質的に病変があるから薬が効くんですよね。
社会全体が変わるのにはまだ時間がかかると思いますが、せめて周りの、ご本人さんのことを大切に思ってくださってる方は理解しようと努めて欲しいですよね。
そして、受け入れて欲しいです。
なりたくてそうなってるわけじゃなくて、
すごくすごく苦しんでる事を。否定だけはしないで欲しいです。
ゆんさん、こんばんは。
優しいコメントありがとうございました。涙出そう。。
私が言いたかったこと、すべてゆんさんが書いてくれました。気持ちがすーっと楽になりました。。本当に嬉しかったです。ゆんさん、ありがとう。
そうなんですか!体にだけ現れることがあるんですね。勉強になりました、ありがとうございます。
先日まで精神科で実習してたんです。
うつ病の方だけではなく様々な方と接しました。
かつ、私も精神的に脆いところがあって、今の彼氏(=大切な人)はそれを受け入れてくれなくて苦しくて。
そんな体験が重なって22日のコメントに行きつきました。
21歳のコムスメが生意気な事言ってすみません。
毎日yukikoさんの日記楽しみにしてます☆
いつも私が思ってるようなこと、スパッと代弁してくださってスッキリします!
catno1さん、こんばんは!
そうなんです。私もびっくり。だから早期発見できずに長引く人もいるみたいです。そういう経緯もあって、実は、自分自身この病気を最初は受け入れられなかったんです。難しいもんですね。。
ゆんさん、こんばんは。
そうだったんですか。21歳でそんなに人を思いやれるゆんさんだからこそ、傷つきやすいのではないでしょうか。男の人ってなかなかそういう繊細な部分わかってくれないですよね。一番わかってもらいたい人にわかってもらえない、本当に辛いです。
これからもゆんさんの期待に応えるべくスパっと頑張ります!
ナイスアイデアです。まぢで。
現実はそんなに甘くはないのですが。。。。
トラックバックさせていただきました。
けろすけさん、こんばんは!
コメント&TBありがとうございました。
そうですよね、現実は甘くないですよね。。でも、実現したら楽しいのにな。医師としての貴重なご意見ありがとうございました!