2005年05月17日

The告白

最初にきちんとした告白があって、お付き合いをスタートさせたカップルは世の中にどれくらいいるのだろう?

20代も後半を過ぎると、「ご飯でも食べに行かない?」とか「映画でもどう?」とかそういうことを何度か繰り返し、次に会う約束が続くことが告白に取って代わり、気がつくと一緒のお布団にもぐっていたりする、というケースをよく耳にする。

中には、素敵なレストランで食事をとり、帰りに夜景の綺麗な場所で車を止め、真剣な眼差しで彼女を見つめ「僕と付き合って欲しい」と言い、彼女もうっとり「はい。。」なんて言っちゃったりして交際がスタートすることもあるだろう。・・・でも、なんかうそ臭い。
なぜなら、素敵なレストランも綺麗な夜景もお手軽そのものだ。誰だってできる。本当に相手を思いやり、理解した上での告白といえるだろうか?

最近、なぜか時々思い出す彼がいる。
今になって彼の良さをしみじみ思う。とても素敵な告白をしてくれた人だ。

私が幼稚園児だった頃、好きな男の子が二人いた。だが彼らは私のことなどあまり気にならない様子だった。
ある日、母が私に「タミキ君のお誕生日会に呼ばれたの。何かプレゼントを用意して一緒に行こうね」と言ったが、タミキ君は私の好きな男の子ではない。簡単に心変わりはどうだろう?だから断った。が、母が「ケーキあるってよ。」と言ったので、私はやっぱり行くことにした。

彼のお母さんと彼はとても優しい笑顔で私を迎えてくれた。私の顔を見て、二人とも「来てくれてとても嬉しい」と言ってまた飛び切りの笑顔になった。ケーキはもちろん、おいしそうな手料理がたくさん並んでいたが、お誕生日会に参加した子供は他には誰もいない。私ひとりだけだった。

思い出すのは彼の笑顔と、めいっぱい喜びだけを表現してくれたこと。やがて会はお開きになり、私が玄関で靴を履き終えると、彼のお母さんは「今日はタミキの為に来てくれてありがとう。あの子、ずーっと来てくれるか心配してたのよ。本当にありがとう。。」と言った。なぜかタミキ君の姿は玄関になかった。私達はお礼を述べて家へと向かった。

それから夏休みを経て幼稚園へ行くとタミキ君の姿はなかった。お父さんの仕事の都合で海外へ行ってしまったと言う。なんだかとてもせつなくなった。何でひとこと言ってくれなかったのか?知っていればもっともっと仲良くできたのに。。母は事情を知っていたらしいが、タミキ君に口止めされたそうだ。最後にお誕生日会を一緒に過ごせたらそれで充分だと。。私の時間をちょっとだけ欲しがったタミキ君。彼は目が大きくてまつ毛が長くとても可愛い男の子だった。

今の私に、そういう素敵な告白してくれる人、現れるのかしら?

最近大人になったタミキ君が時々私の前に現れる。
タミキ君はリッキーマーティンになったらしい。


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