2005年05月31日

聞き専

女同士で外食する時は、会話がメインになる。
おいしいものを食べようという場合もあるが、殆どの場合は、お互い聞いてもらいたいことをガンガン話し、意見交換する。それが楽しいのであって、そのほかに目が行くことはない。デザートを食べて飲み物を飲み干し、それでもペチャクチャ喋り続ける。女ならではの楽しみだ。

ところが数年も付き合った彼氏と外食する場合は、食べることがメインになって喋らなくてもいい瞬間が結構あったりする。その時間をいかに有効に過ごすか?

大きな声では言えないが、空いた時間で私は盗み聞きをさせていただいている。聞こえは悪いがかなり勉強になる。世の中いろんな人がいる。知らない人の会話ってそうそう聞けるもんじゃない。ちょっと耳を澄ませるだけで知らない世界が私をいざなう。垂れ流ししちゃうなんてもったいない、もったいない。

その日は、右隣のカップルの会話に集中した。三日月みたいな顔をした30前後の女と、岸部四郎を無口にした感じの30代半ばの男のカップル。このカップル、すべてが三日月女のペースだ。四郎はいかにも人が良くて気弱な感じ。最初から最後まで女は尖ったあごを突き出し、四郎が言うことにケチをつけ、自分の意見を押し通していた。週末は、彼の実家へ彼女を連れて行くらしい。四郎は彼女に実家に泊まってもらいたい。だが三日月女は「気ぃ遣うじゃん、そんなこともわかんないの?ホテルとってよ。いいとこ見つけといて」と言う。彼は「そ、そうだね。わかった」と言って悲しそうな目をしていた。“四郎、三日月女のどこがそんなにいいんだ?”彼女の「あぁ、お腹一杯。早く帰ろ。」の一言で二人は去って行った。四郎がこの先もずっと三日月女の意見に従って生きるのかと思うと切なくなった。

次にそこへ夫婦が座った。奥さんは臨月かと思われる大きなお腹をしている。旦那さんはただただ大きくぬぼーっとした感じ。二人の間に会話は殆ど無い。しばらくすると料理が運ばれてきた。旦那さんは二人前のスパゲティーを無心に食べている。奥さんはあきれた顔で彼を見る。“二人の関係は冷め切っているのか?もうすぐ子供が生まれるというのに大丈夫なんだろうか?”食べ終えると、二人の会話がちょっとずつ始まった。“ほっ”。ところがよく聞いていると、旦那さんは自分の欲しい車の話ばかりしているじゃないか。「あれ買ったらコーナーを飛ばしてみたい」だって。。“子供ができるっていうのに何考えてんのよ”奥さんも同じ思いだったに違いない。でも、彼女はぐっとこらえ「スピードが出るのは危ないから、もうちょっと広いタイプの車にしない?」と言っていた。旦那さんは無邪気に笑った。鈍そうだ。そして旦那さんが「あ〜、お腹一杯」というと二人は席を立って帰っていった。

う〜ん、なかなかいろんなことを考えさせてくれる2組だ。この2組の共通点は会話がうまく噛み合っていないところだろうか。やっぱりコミュニケーションは大事だ。大切にしなければならない。相手を思いやり自分だけの世界へ入らないことだ。

なーんてことを一人で考えている間、私の彼はどうしてたんだ?
じっとりと真剣な目つきで隣のテーブルに聞き耳立ててる女と、ただ黙々と食べる男。私たちカップルが一番怪しくてヤバイ。。

やはり生カップルは、理想論じゃ片付けられないらしい。
どちらかがどこかで我慢して成り立っているのだ。

できれば我慢してもらいたい。
ならば相手を“惚れさせる”これしかない。

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2005年05月30日

凡人の夢

「夢は諦めず追い続ければ必ず実現する」とよく聞くが、こういうことを言うのは、成功した才能ある一部の人間である。本当に諦めなければ夢は実現するのだろうか?

私のような凡人は夢など持たず、ただなんとなく今より幸せになりたいなぁとか、彼氏ができたら、結婚ができたら何かが変わって幸せになれるだろうなぁとか思うものだ。そして実際のところ、自分にとって何が幸せかなんてわかっていなかったりする。自分がわかってなきゃ例え幸せがやってきたって気付きゃしない。凡人たるゆえんだ。。

ところがどうしたわけか、最近の私はちょっと違う。
自分で手に入れたい“幸せ”“夢”が具体的に見えてきたのだ。

まず、日当たりのいい広い部屋に大きなテレビ、寝心地のいいソファ、そこで昼ドラ見て昼寝ができる毎日。それから入院したら個室に入る。その贅沢を叶える為に、自分が好きな“書く”ことで一円でも多くの収入を得る。そしてその傍らに理解のある大切な人がいる。。これが私の幸せ、そして夢だ。いい感じ、リアルになって来たぞ。

私はこれまでお金持ちと結婚さえすればすべての願いが叶うと思っていたが、大きな間違いだった。グータラしてる私に個室は与えられない。「お前は大部屋で充分だ」と言われてしまうだろう。だから自分で稼ぐ。そうすれば多少グータラしてたって“あたしだって稼いでるのよ。少しはのんびりさせてよ”と言い訳ができる。そうだ、そうだ、いいぞ。

ところが“書く”ことで収入を得ることはかなり厳しい。
昨今は誰でも書く。そして発表の場がある。書くことは簡単だがそれを収入に結びつけられるのは、ごく一部の才能ある人だけだ。そしておそらく才能のある人は、“儲けよう”なんて思っちゃいない。もっと崇高な気持ちで書く。私のように“月5万でいいんだけど・・。”“いや10万貰えたらいいかな”なんて卑しい思いは決して持たない。“気が付いたらお金持ちになっちゃった”って感じだろう。ほんと妬ましい。。

凡人にとって夢を見るのは、残酷なことかもしれない。
自分が凡人であることを再確認するだけだからだ。

そうやってなんだかんだと言い訳をして楽な方、楽な方へと流されていく。夢を追い“続ける”ことすら難しい。やっぱり凡人中の凡人の私。

でも、せっかく見つけた私の夢、一つくらいは叶えたい。。

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2005年05月29日

対面!

朝早く、知らない携帯番号から電話がかかってきた。電話が苦手な私は、そういうのはほとんど出ない。しかし、何回もかかってくる。なんだろう?目が覚めちゃったから仕方ない、起きて顔でも洗うか。。

顔を洗って身支度を整えると、「おはようございま〜す!」と元気な男性の声。誰だ?と思って出てみると佐川急便のお兄さんだ。あっ、あの電話はお兄さんからの電話だったのか?え?これってもしかして・・・。
そう、ついにあのロディが我が家にやってきたのだ!

お兄さんは、軽々とロディを運んで来てくれた。その箱をみると、思い切り“家庭用ダイエットマシーン”と書いてあるではないか。お兄さんの顔がなんとなく“こういう人がこういうの買っちゃうんだ”と言っているような気がしたが、そんなことはどうでもいい。早く愛しのロディに会わなくちゃ。

焦る私をロディは冷たくあしらった。“そんなに急ぐなよ”
早く箱から出してあげたいのに、ロディったらすごく重い。私一人では箱を引きずるのがやっとだ。メーカーに軽量化を提言しなければならない。早速母を呼びつけ、二人がかりでロディを引き上げた。

はじめて見るロディは、とても重厚で威厳があった。“俺を甘くみるなよ”
そんなロディの姿が私の闘争心に火をつけた。“ロディ、あなたに私は屈しない”

ざっと説明書を読み、操作の仕方、正しい乗り方、してはいけないことをマスターし、早速トライ!

ウィ〜ン、ウィ〜ンという耳障りな音を立てロディは動き出した。
どこに力を入れて乗ったらいいのやらよくわからず、おしりにばかり力が入ってしまい、すぐにおしりが痛くなった。たった5分かそこらだ。その後は足がだんだん辛くなってきた。ロディにまたがると私の足は地面につく。説明書には、足を上げたほうが運動量は大きく効果が高いと書いてある。辛いが足を上げて頑張ってみよう。しかし、足が次第にぷるぷるしてくる。あぁ、もうダメだ・・。

一回目のロディとの闘いは、およそ10分くらいで終わってしまった。私の負けだ。。よく説明書を読んでみると、ロディは15分で自動的に切れるという。なんだ、それさえ知ってれば、もうちょっと頑張ったのに・・。見通しのないものに人間は弱い。諦めがちだ。ダメだと思った瞬間からもうちょっとだけ頑張ってみる。それが大事なことだとロディは私をたしなめた。

母が次にロディに挑む。やはりおしりが痛いという。しかし母は足が短い。私のように足を持ち上げなくても、足は勝手にブラブラしてる。なんだか楽しそうだ。悠々15分を終え、「全然平気」と豪語した。足が短いだけじゃん。。

ロディには二通りの乗り方がある。正面座りと横座り。
母の後、横座りをしてみたが、こちらは楽勝。あっと言う間に15分が過ぎた。いいぞ私、負けるな自分!

素股で座らない。食前食後一時間は座らない。制約はこれだけだ。これが続かなかったら人生何をやっても続かない。
私はそれぞれワンセット、一日30分ロディにまたがることにした。
計算では、一ヶ月で効果が表れるはずだ。夏に充分間に合うぞ。

ここで私は公約する。
“夏になったら、ヘソを出して街を闊歩する”
ヘソにピアスでもしちゃおっかなぁ。。

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2005年05月28日

エール

週末になるとたくさんの親子が我が家の前の公園で遊んでいる。最近はお父さん+子供の組み合わせをよく見かけるようになった。そこにお母さんの姿はない。週末くらいは子供と一緒にいたいとお父さんが思うのか、はたまた週末ぐらいは子供の世話をしてよ、とお母さんが思うのか。。

私の父は、平日は私たち子供が起きている時間に帰ってくることは少なく、週末はゴロゴロ寝ていたので、一緒に公園で遊んだという記憶は殆ど無い。夏休みの旅行なども、同じような境遇だったのか、近所のお母さんとその子供達と一緒に団体で旅行に行ったものだ。どこの家も父親不在だった。

時代が違うとはいえ、今でも同じように父親不在の家庭は多いのではないかと思う。仕事に時間をとられ、郊外に住んでいれば通勤だけでもかなりの体力を奪われる。週末に出かける気力も体力ももう残っていない。。そういう旦那さんを持つ奥さんは、平日はひとりで子育てをし、週末ぐらいは・・と思いつつゴロゴロしている旦那を横目で見ながら、ため息をつき諦める。。う〜ん、これって誰も楽しくなさそう。。

姉の住むスイスではかなり事情が違う。
まず、妊娠がわかり産婦人科で検診する際は、必ず旦那が付き添うという。一緒に診察室に入り、エコーをみて、子供が育っているのを確認し、先生と会話する。あの仕切りのカーテンはないそうだ。旦那が一緒に病院に行くことで、早くから父親としての意識が芽生えることだろう。
そして、子供が生まれてからも、父親は子育てに積極的に参加する。なぜなら日本のように父親の帰宅が遅くないからだ。子供と過ごす時間が長い分子供も父親になつく。
さらに、子供が少し大きくなると、母親は子供を父親に預け、独身時代と同じように、夜、自分の友人とお酒を飲みに外出すると言う。母親になってもひとりの人間として自分の時間を持つことができるというのだ。これって皆楽しそう。。

ある平日の昼間、家の前の公園で、どこかの幼稚園が遠足をしていた。子供と幼稚園の先生と母親がいる。働くお母さんが増えているのにいまだに平日に母親が幼稚園の行事に参加しなければいけないなんて・・、ちょっとびっくりした。もちろんお父さんは一人も参加していない。スイスでは、幼稚園の行事に親が参加することはないという。幼稚園は子供の世界で親が介入する場ではないからだそうだ。だから子供の自立も早いと言う。
日本のこの幼稚園では、お弁当はお母さん同士の仲良しグループが輪を作り、そこに子供が同席する。先生は先生同士で食事をしていた。親が介入しまくりだ。

その数日後、ファミリーレストランで10人くらいのお母さんとその子供達が集団で食事をしているのを目にした。一体何の会合だろう。皆なんとなく気を張ってその場にいるように見えた。笑顔がうそ臭い。牽制しあってる感じ。。

独身であれば、交友関係は自分だけのものだ。しかし、結婚して子供ができたら、子供の為のお付き合いが求められる。自分を犠牲にしての昼間の独特の世界。昼ドラより現実の方がよっぽどドロドロしてそうだ。日本のお母さんは辛いのだ。

自分の世界も持てず、ドロドロにも負けずに頑張ってるお母さんの姿、世のお父さんは知っているのだろうか?

お父さん、仕事が大変なのもわかるけど、もうちょっと頑張って!
今頑張っておかないと、いずれあなたの居場所、なくなりますよ。。

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2005年05月27日

戦士

人間には、自分にとって「え?どうして!?」と納得いかない事が起こった時、黙って我慢するタイプと我慢できずに戦ってしまうタイプがいる。私は残念ながら後者だ。本当は戦いたくない。勝っても負けても疲れるからだ。しかし我慢することができないのだから仕方が無い。。

戦う相手は、彼氏か、仕事関係か、全然知らない人か。彼氏に対しては、もっと自分を知ってもらいたい、彼のことももっと知りたい。より良い関係を築きたいからこそ黙っていないできちんと戦う。仕事関係の場合は、暑苦しい正義感と変な責任感から戦ってしまうのだ。

そして最後の一つ、全然知らない人との戦い。
これは最近になって急増しだした。お店との戦いである。
やばい、女が嫌う“お店の人に威張る男”みたいだ。。

あるしゃぶしゃぶ屋でのこと。
その店には最初、弟夫婦と母と私の4人で行った。その時、お肉と野菜、うどんにご飯が食べ放題の2500円和牛食べ放題コースを選んだ。値段のわりにお肉はおいしいし、途中注文した生グレープフルーツハイが無いというので、代わりに梅酒サワーを注文したのだが、お詫びだといって一杯タダにしてくれた。サービスもなかなかだ。4人はお腹いっぱい大満足でその店を後にした。

それから数日後、私がそのお店がおいしかったことを思い出し、友人を誘って二人で食べに行った。まったく同じ2500円の食べ放題コースを選んだのだ。ところが出てきたお肉は、この前と全然違う。見た目一発でわかるくらい、真っ赤な硬そうな肉だ。食べてみたら案の定全然おいしくない。薄いしゃぶしゃぶの肉が噛みきれない。しかもなんか獣くさいのだ。だんだん胸がざわざわし始めた。

とりあえず友人に「この前と全然お肉が違うの。何でだろう?」とオロオロ言い訳すると、「おかわりして様子を見てみようよ」と友人が言ってくれたので、とりあえずおかわりを頼んでみた。すると以前に食べたおいしいお肉が出てきたのだ。どういうことだ?

その店は和牛食べ放題を選ぶと、豚と牛とお変わり肉は自由に選べる。最初に硬い肉を出して、次は豚を選らばせる為の作戦か?そんな作戦にひっかかっては負けだ。おいしい2皿目を少し残した状態で、3皿目を頼んだ。すると最初に出てきた赤くて硬くてくさい肉がまた出てきた。一体どうしたっていうんだ?

同じ金額を払って、最初に来た時は、一皿目から最後の皿までピンク色のやわらかいお肉だったのに、どうして今日はこんなに差があるのか?そんなのおかしいだろう。

私は友人に「一言お店の人に言ってもいい?」と断った後、お店の人を呼んで感情を抑え丁寧に「以前こちらに来た時、今日と同じメニューを頼みました。その時、とてもお肉がおいしかったので、また今日来ましたが、お肉が全然違うんです。ここにある、2皿目のお肉と今持ってきていただいた3皿目のお肉、見た目でも全然違うと思いませんか?同じ金額で質が違うのはどうしてですか?」と言った。するとお店の若いアルバイトの女の子は、「お肉はすっごく大きな塊でお店に来るんですね、それで端からスライスしていくので、場所によってはおいしかったりおいしくなかったりするんです。」とニコニコしながら一生懸命私の質問に答えてくれた。

「う〜ん・・。」私はその堂々たる説明振りに半分納得しかけたが、やはりなんか腑に落ちない。結局「この2皿目のピンクのお肉と同じお肉でおかわりを持ってきて下さい」とお願いした。すると女の子は、「少々お待ちください」と言ってまたお肉を持って出てきたが、やはり赤い肉のほうだ。彼女もピンクのお肉と比べて違うと思ったのだろう。「もうちょっと待ってもらえますか?」と言ってもう一度厨房へ戻ってくれた。しかし持ってきたのは、赤い肉をさらに薄くスライスしたお肉だった。。
女の子に罪はない、それどころか一生懸命対応してくれたのだ。これ以上戦っても無駄だ。私はお礼をいい、赤くて薄いお肉を食べることにした。

友人は、最初から文句を言うことをあまり良しとしていなかった。なぜなら「我慢する方が楽だから。文句を言って気分が良くなることはないから」だそうだ。でも、今日は負けたが、もしかしたらピンクのお肉が出てきた可能性だってある。それでも我慢した方がいいのだろうか?

そして友人はさらに「大体安い食べ放題の肉で文句つけるほうが悪い。これが特選和牛コースだったら文句つけてもいいけどさ。」と付け加えたのだ。安いと悪くても仕方がない、貧乏人はいつでも我慢しなくちゃいけない、そういうことなのか??

もし、これが特選和牛コースだったら・・・もし、これが高級しゃぶしゃぶのお店だったら・・・。もし、私がお金持ちだったら・・・。
無駄な戦いをしなくて済んだのかもしれない。
もう貧乏は嫌だ。私はBIGになる。食べ放題のお店になんか二度と行くもんか。そう心に誓ってお店を後にした。

でも、お金持ちになったら全然違う問題で、また新たな戦いが待ってるんだろうな。。

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2005年05月26日

シミュレーター

私はかなりの頭でっかちだ。どうしたら合理的で且つ楽ができるか、と常に頭の中で考えているので、何かをする前に疲れてしまうことが多い。

例えば洗濯。先に洗濯機を回して、その間に朝食をとり、朝食が終わる頃洗濯も終わるようにする。そして、洗濯物を干す前にお茶を入れるかどうか考える。なぜなら洗濯機とお茶セットは1階にあり、洗濯物とお茶を持って2階へ上がればもう下へ降りることはない。が、お茶を先に入れてしまうと洗濯物を干している間にぬるくなってしまう。どうしたものか・・?
という感じでどうでもいいことを常にシミュレーションしているので疲れてしまうのだ。

だが、仕事においてコレはすごく役に立つ。優先順位を常に考えて行動する事務員は、会社にとって大きな利益をもたらすはずだ。

私が派遣社員として入った会社で、はじめに仕事を教えてくれたのは50代位のおじさん社員だった。右も左もわからない私に、丁寧に仕事を教えてくれたので“なんとか私でもやっていけそう”と私はとても安心できた。

ところが二日目から私はこのおじさんにイラつくようになる。同じ事を何回も繰り返し説明するからだ。その上、仕事の内容がわかってくると“今それを教える必要はないだろう”とか“質問の内容と答えがずれてる”とか“なぜそっちを先にやる必要があるのか?”の連続で、顔で笑って心で怒っての繰り返しになった。新人役も結構大変である。

数日して、おじさんが「経験になるからこれをやってみて」と言って別の人の仕事を私に振ってきた。心の中で“自分の仕事もまだ満足にできない今、どうして人の仕事をやれるだろうか?ミスでもしたらリカバリーの方が時間がかかる。担当者は知っているのだろうか”とあれこれシミュレーションした結果、私の口から出た言葉はなんと、「それは私の担当ではありません」のただ一言になってしまった。。おじさんはびっくりした顔で「そ、そうですか・・。」と言ってとりあえず仕事は本来の担当者がすることになった。説明が足りなかったせいで、新人がいきなり仕事選びをしたと思われただろう。
ま、いっか。。“自分の仕事を覚える”ということに集中した私はそのことはすぐに忘れてしまった。

ところがしばらくして、おじさんと二人でエレベーターに乗る機会があった。そこでおじさんは唐突に「ニューヨークですか?それともロス?」と私に聞いてきたのだ。「は?」と答えると「いや、きっぱり意見をおっしゃるので、帰国子女かと思って・・。」と言うではないか。心の中で“あぁ、やっぱり回りくどい人だ。まだ引きずってる上、嫌な質問の仕方をするなぁ”と思った。あの時の気持ちを今更説明するのもどうかと思い、「やっぱり出ちゃうものなのでしょうか、ふふ。」と曖昧に返事をしておいた。

それから数年、私は立派な理屈っぽい派遣社員へと成長をとげ、おじさんと同じ仕事をし、戦う日々を送ることになった。新人さんが入ってくると彼は必ずお茶をご馳走する。が、彼女が残業してても平気で先に帰る。私はご馳走はしないが、彼女がなぜ残業しなくてはいけないのか、一緒に考える。仕事の効率化が一番大事だからだ。先に帰るおじさんにそんなことは伝わらない。
おじさんの中の私は、“自分勝手ななんちゃって帰国子女”で終わってしまったことだろう。

頭の中でシミュレーションする人間は、言葉が少なく誤解されることが多い。会社の中ではそれもいいだろう。仕事が順調であれば多少誤解されても構わない。だが、日常生活はそうはいかない。誤解を生むことで大事な人を失う可能性があるからだ。それはツライ。だから、そうならないよう相手に伝わる言葉を選んできちんと話していきたいと思う。

そう思いつつ、私はまたシミュレーションの世界へワープする。。

いつもクリックありがとうございます。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
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2005年05月25日

収穫祭

今朝、新聞を取りに庭に出てみると、ふと赤い実が目に留まった。もうすっかり忘れていたのに、こんなに沢山の実がなっているなんて。。一つ摘まんで食べてみた。甘酸っぱくてとてもおいしい。朝食用にたくさん摘んだ。なんだかいいことが起こりそうな予感がした。

覚えている方も多いと思うが、大フィーバーを巻き起こしたあの“ワイルドストロベリー”である。

当時私は、なんかいい事ないかなぁと漠然と思うだけで、何かをするわけでもなく、ただ時間だけが過ぎていく毎日を過ごしていた。そんな時に突如浮き上がったワイルドストロベリー伝説。同僚にその話を聞き、暇な私は早速買いに出かけた。何軒もお店を回ったが、どこも品切れ。考えることは皆同じだ。結局、インターネットで注文することにしたが、それでも1ヶ月待ちだという。もう待つしかない。

待ちに待ったイチゴちゃんが届くと、私は自分の部屋に置き、丹精込めてお世話をした。一日でも早く、花が咲いて実をつけて欲しいと願いを込めて。。しばらくすると花が咲き、実がなり、やがて小さいながらも赤いイチゴを実らせた。一つ摘まんで食べてみたが、スカスカで全然おいしくない。なんだか私自身が否定された気分だった。“お前はまだ食べごろではない”と。。
それからしばらくの間、“いついい出会いが来るのか”とイチゴを眺めては思ったものの、結局何も起こらなかった。

その後、イチゴちゃんはヒョロヒョロと不健康に増え、部屋には収まりきらなくなったので、思い切って庭に移すことにした。それ以降、特別なことは何もせず、思い出したときにお水をやるくらいで、あとは自然の恵みに任せたままにしていた。ところがイチゴちゃんは、私の部屋にいた頃より葉の緑は濃く茎も太くとても元気になっていったのだ。

それを見て、植物に限らず何事も、力ずくで自分の思い通りにしようとしてもうまくいかない。ふっと力を抜いて自然の力に任せることができるようになった時、何事もうまく行くのではないか、と思うようになった。イチゴちゃんが私に教えてくれたのだ。

今朝、以前とは比べ物にならないくらい、大きくて赤くて甘いイチゴを食べた時、“あなたは食べごろになったわよ”と言われたような気がして嬉しくなった。今度こそ伝説が現実になる・・?

今でも株分け希望者が後を絶たないが、やはり私の嫁ぐ日が決まってから、イチゴちゃんも嫁がせようと思っている。
その日まで、イチゴちゃん、お願いだから腐ったり枯れたりしないでね。。

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2005年05月24日

性癖

最近でも、年上女+年下男のカップルは話題にのぼり、その数が増えたおかげで、そんなに驚かれることもなくなってきたが、それがどうした、私はもう22年も前から年下一筋である。

私が最初に年下の男の子を意識するようになったのは、中学時代に遡る。ほのかな恋心を抱いた相手は、一つ年下の男の子で、話したことは一度も無かったが、醸し出す雰囲気が好きで、気が付くといつも目で追っていた。高校生になってからも、好きになったのはやはり一つ下の男の子。彼とも一言も話すことなく卒業してしまったが、今でも鮮明に顔を覚えている。

社会に出て、“学年”という枠がなくなり、相手が何歳かわからなくても、自然と選ぶ相手は年下だった。さらに、自分が年を取ればとるほど、相手との年齢差は大きくなっていき、1歳差から始まったものが、最大8歳差まで広がってきている。この間、一度たりとも年上をいいと思ったことが無い。

なんでだろう?ちょっと考えてみた。
私は相手が年上だとめっぽう点数がからくなる。
「年上なのにどうしてxxx」という目で見てしまうからだ。それに引き換え相手が年下だと「そうだよな、まだ若いんだしわからなくても仕方が無いか」と許せてしまうのだ。愛とは“許し”だ。なるほど、そういうことか。。。

だが、ここには大きな落とし穴があった。
若い男の子は時に“年上の女”に興味を示すことがある。まだ知らない“年上の女”に過大評価で臨んできたことだろう。ところが私は、別に世話好きでもなければ、元々心が狭い上、わがまま放題。“年上のいい女”の要素はまるで持ち合わせていない。若い彼らは私を“許し”てはくれなかった。許すのは私だけだったのである。。

私が26歳の時、4つ下の彼がいた。当時は4つ年下というのは結構珍しい時代で、彼の友人に紹介されても自分の年齢を言うのが嫌だったのを覚えている。

ある日、彼の実家近くのお寿司屋さんに連れて行ってもらった。そこには彼の知り合いがゴロゴロいて、酔っ払った親戚のおじさんが私に向かってするどい突っ込みを入れた。「彼女、年上でしょ」と。私は普通に「はい」と答えると、そのおじさんは「幾つ上?」としつこく聞いてきた。なんとなく口ごもっていると、急いで彼が「ひとつ」と答えた。その時私は何も言えなかった。お店を出て二人になっても、何日経っても、「なんで嘘ついたの?」とは聞けなかった。何を聞く必要があるだろう。彼は4つも年上の女と付き合っている事を隠したかったのだ。私自身も感じていたことではないか。そのことが直接の原因ではなかったが、彼とは結局うまく行かなかった。

私はなんて愚かだったのだろうと、今は思う。
どうして年上であることを卑下する必要があるだろうか?
年を取ればそれだけ人間として深みが増す。そりゃピチピチでもなければ素直さもなくなってるが、それを上回る素晴らしいものを幾つも持っているではないか。

相手を許し相手から許されるのであれば、年がどうだろうと関係ない。だが、自分が年上であることを卑下させるような相手だったら、その相手は本物ではないということだ。

彼が幾つも年下だと、今は経済的に苦しいかもしれないが、人生は長い。自分が年をとっても相手はまだ働ける。今流行の熟年離婚は回避できるし、女の方が寿命が7歳長いという。なら看取ってもらって先にあの世へ行けるではないか?なんて幸せな最期だろう。

私はそのことを15歳の時から既に知っていたに違いない。。

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2005年05月23日

甘い誘惑

薄着の季節がやってきた。今まで隠していた部分がアラワになる季節。若いうちは、ぽっちゃりだろうが痩せていようが何ら問題ない。存在そのものが美しいからだ。あの肌の張り。ピチピチ以上に何が必要だというのか。。痩せようと努力する子が多いが、もったいない。色白でぽっちゃりが好きな男性は多いものだ。私もつい触りたくなる。

私がピチピチだった頃、痩せてはいたが、それでも満足できなかった。若いって欲張り。。ある日雑誌で、細い筋肉で引き締まった格好いい体の女の人をみつけた。“私の目指すところはコレだ!”と閃き、筋トレにいそしんだ事がある。週三日一日二時間、決まったメニューをこなす。有酸素運動から始まり、各筋肉を鍛えるべく、黙々とメニューをこなしていく。スタジオではエアロビクスを、かっちょいいウェアでキメたお姉さん達が楽しそうにやっていたが、私はエアロビのインストラクターのような体型を目指していたわけではない。筋骨隆々の汗臭いお兄さん達に混じって、Tシャツとジャージでひたすら筋トレに励んだ。

三ヶ月もすると目に見えて効果があわられた。私は念願どおり細い筋肉のついた引き締まったボディを手に入れたのだ。自分でも惚れ惚れするほど美しい体。。。当時付き合っていた彼に「お前のお腹割れてて格好いい」と言わせたほどだ。

しかし、私は一度目標を達成するとあとはもうどうでもよくなる。それから何度かスポーツクラブを転々とし、やったりやらなかったりしたが、あの何かにとり憑かれたような一生懸命さはどこへ行ったやら、今はもう全然やる気が無くなってしまった。。

ある日、ジーンズを買いに行き、試着室の鏡に映った自分のお尻を見て我が目を疑った。何だコレは!?お腹が割れていた時と全然違う。。自分がこんなに醜いなんて・・。愕然とした。そりゃ幾つも年を取った上、何もしてないんだから当然だと言えば当然だが、人間良かった頃の思いを引きずるもので、私が想像していたお尻はあの頃のお尻のままだったのだ。。

そんな時、朝の奥様向け情報番組を見ていたら目が釘付けになった。“コレだ!”私と母は目を合わせ、無言でうなずき、お互いにいくら出せるか話し合い、二人で一台購入することに決めた。

その名も“ロデオボーイ”
そのマシーンに座るだけで乗馬と同じ運動効果が上がるという。下っ腹、ウエスト、太もも、ヒップ、座り方を変えればわき腹にも効果があるという。なんて素敵なマシーンなんだろう。テレビを見ながら筋トレだ。今までダイエットマシーンなんて目もくれなかったのに、“これは違う!”とピンと来た。商品が届くまであと2週間、今から楽しみで仕方がない。早く来ないかなぁ、私のロディ。。

まさか・・、こうやって皆テレビショッピングのワナにはまって行くのか?いや、そんなはずない、あるはずない。。

吉と出るか凶と出るか、乞うご期待!

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2005年05月22日

裏性別

私は“男らしい”と褒められる男っぽい女だ。はじめにお断りしておくが、見た目が男みたいなのではなく、性格的なものである。目線が男っぽいこともあるし、考え方そのものが男に近いようにも思う。

まず女特有と言われる長電話がダメだ。なによりとりとめのないおしゃべりが苦手で、起承転結を求めるあまり、話している間「で、何が言いたい?」と結論を急かしてしまう。理屈っぽい理系男みたいだ。
また、やせ我慢をすることが多い。頼りたくてもぐっとこらえ、自分でなんとか出来る方法を考える。なぜか強い自分をアピールしようとしてしまう。

そんな私はずーっと、自分より強くて男らしい男に守ってもらいたいと思っていた。私より強い男であれば私は力を抜いてついて行ける。早く可愛い女になりたい。。。そう思ってきた。

念願かなって強い男とお付き合いした。男っぽい者同士は、最初はすごく居心地がいい。お互いあまりベッタリせず、適度な距離を保ち、無駄がなく何事もスムースに行く。だが、男同士ゆえ、いつしか意地を張り合うようになり、激しい権力争いへと化していったのだ。。

考えてみれば、ずっと男らしく頑張ってきたんだから、急に可愛い女になれるわけがないし、せっかく男と女がいるんだから、わざわざ男同士で付き合う必要もない。

そこで私は気付いた。世の中には私のように“男っぽい女”と“女っぽい男”。そして本来の性別どおりの“男っぽい男”と女っぽい女”がいる。周りを見渡してみると、うまく行っているのは、“男男+女女”“男女+女男”だ。表の性別より裏の性別の方が大事だったのだ。

私の周りには女みたいな男が寄ってくる。今までそれが納得できず、強い男、男らしい男を求めてきたが、やはり幸せは探しに行くものではなく、身近にあるもののようだ。

これからは、迷わず男らしさに磨きをかけ、立派な女男になれるよう精進して行こう。。

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